助詞「は」を使って話してみましょう/日本語ラーニングサポートLLC

2023/05/04 ブログ

助詞「は」を使って話してみましょう/日本語ラーニングサポートLLC

 

GW期間真っただ中、皆さまは良い休日を過ごされているでしょうか?

旅行の際には様々な日本語に触れて学びを深めたいものですね。

今回は助詞「は」を使って様々な表現を作ってみましょう。「は」は助詞の中でも最も多様な場面において使われるもののひとつですから、基本的な使い方をしっかり覚えましょう。

例文はぜひ、声に出して読んでみてくださいね。

 

(1)わたしは、東京に住んでいます。

「わたしは~です/ます」という一番基本的な形です。自分の名前、出身、仕事、意見、好きなこと…いろいろな情報が伝えられますね。

 

■わたしは長谷川です。(名前を伝える)

■わたしは新宿に住んでいます。(住んでいるところを伝える)

■わたしは小説を読むことが好きです。(趣味を伝える)

■A:「実は転職しようかどうか迷っているんです。」

B:「わたしは、 まだ転職しないほうがいいと思います。」(意見を伝える)

■A:「コーヒーを飲みますか?」 

 B:「いいえ、わたしは結構です」(意思を伝える)

 

この使い方は、以前のブログ(2023422日更新)でも詳しくご紹介していますので、そちらもあわせて確認してみてくださいね。まずはこの形をしっかりマスターしましょう!

 

(2)横浜は、夜の景色がとてもきれいなところです。

会話の中で話題になっていることについて、説明したり感想を言ったりするときに「は」を使います。上の文では「横浜」が話題になっていて、それについて「夜の景色がきれい」と説明しているわけですね。

もう少し例文を見てみましょう。

 

■あの店のカレーは、辛くておいしかったですよ。 (レストランのカレーの話)

■日本の夏は、毎年とても蒸し暑いですね。 (日本の夏の話)

■昨日一緒に参加したパーティーは、とても楽しかったですね。(昨日のパーティーの話)

 

ビジネスシーンでも使える場面はたくさんありますよ。

■田中さんの出張の予定は、どうなっていますか?

■明日の会議は、15時ごろから始めましょう。

■プレゼンテーションの資料は、10部コピーしておいてください。

 

生活の中で聞いたことがある表現がたくさん出てきましたね。会話の中で非常によく出てくる使い方ですから、しっかり使いこなせるようにしましょう。

 

(3)お茶は飲みますが、コーヒーはあまり飲みません。

二つの物事を比べて話す時に、「は」を使います。「好き/嫌い」、「上手/下手」、「多い/少ない」など色々な比較に使えます。こちらも例文を見ながら確認してみましょう。

 

■ひらがなはわかりますが、漢字はあまりわかりません。

■バドミントンは上手ですが、テニスは上手じゃありません。

■母は明るくて面白い人ですが、父は静かな人です。

 

この形は初級の教科書にも出てくる、比較的分かりやすい形だと思います。反対のことを言うだけでなく、3つ目の例のようにその人や場所、ものの特徴を言うときにも使えます。

 

(4)一日1時間は日本語を勉強します。

「最低限」を表現したいときにも「は」が使えます。

上記の例の場合、「一日に最低(どれだけ少なくても)1時間勉強します。2時間、3時間勉強する日もありますが、1時間より少ない日はありません」という意味です。

 

■1週間に1回は、家族と電話をします。

■毎日5つは漢字を覚えるようにしています。

■仕事が忙しいですが、毎日11時には寝るようにしています。

 

この使い方は、上級レベルでも「あまり馴染みがなかった」という方が多い印象ですが、とても便利で表現の幅が広がる使い方です。ご自身で「最低限これをしよう」と決めていることがあれば、ぜひこの形で言ってみてくださいね。

 

(5)A:「ここにペンがありませんでしたか?」

B:「ああ、ペンはあの机の上にありましたよ。」

Aさんは「ペンが」と言っていますが、Bさんは「ペンは」と言っていますね。どうしてでしょうか。

この会話の場合、Aさんが話し始めた時に、Bさんはまだ「Aさんのペン」のことを考えていません。新しい話題を出す時や相手が知らないであろうことを話す時、Aさんは「が」を使います。

その後、Aさんからペンの話を聞いたBさんの頭の中には「Aさんのペン」のイメージができました。これでAさんとBさんとの間で「Aさんのペン」の話題が共有されたわけです。こうなれば、お互いが同じ話題について話すことになりますから、(2)と同じように「は」が使える、ということになります。

 

少し長くなりましたね。要するに、相手がまだ知らないことや考えていないことを話す時は「が」、お互いに知っている話題について話す時には「は」を使いましょう、ということです。

それを踏まえて、つぎの会話を見てみましょう。

 

■A:「今晩、好きなアニメのイベントがあるんです。とても楽しみで、昨日はあまり寝られませんでした。」

B:「そうですか。そのイベントは、どこで開催されるんですか?」

A:「東京です。家から近いので嬉しいです。」

 

この会話の場合でも最初の例と同じように、話題を提供するAさんは「イベントが」、話題を共有したBさんは「イベントは」と言っていますね。会話の際にはぜひ意識してみてください!

 

 

さて、ここまで助詞「は」の使い方を見てきましたが、いかがでしたか?

助詞をしっかり入れて話すと、自分の伝えたいことがより正確に、間違いなく伝わる文を作ることができます。助詞がなくても単語を並べれば理解してもらえることもありますが、それはコミュニケーションとしてはやはりもったいないことのように感じます。いつも単語で話しているな…という方は、少しずつでもぜひ会話の中に助詞を取り入れてみてください。きっと自然で流れるような日本語の会話が生まれると思いますよ。

 

 

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