楽しい日本語リーディングを始めましょう!今回は「一寸法師」をご紹介します!
皆さん、こんにちは!
もうすぐゴールデンウィークですね!
お休みの間は、何をしますか。
家族と旅行に行ったり、たまには家でのんびり…なんて休日もいいですよね!
時間があるときは、もちろん日本語の学習も忘れずに!
携帯やパソコンから簡単に見ることができる私たちの日本語blogをご活用くださいね!
今日は「一寸法師」というお話をご紹介します。
それでは物語をお楽しみください!
「一寸法師」
昔々、ある村に元気な男の子が生まれました。
ところが、この男の子は大人の小指くらいの大きさのとても小さい男の子でした。
それでもお父さんとお母さんは、その男の子に一寸法師(いっすんぼうし)と名前を付けて、大切に大切に育てました。
しかし、何年たっても一寸法師は全然大きくなりませんでした。
お父さんとお母さんは、最初は心配しましたが、元気に走り回る一寸法師を見て、自慢の息子だと思うようになりました。
そんなある日、一寸法師はお父さんに聞きました。
一寸法師:「お父さん、川はどこまで続いてるの?」
お父さん:「ずっと遠くの山までだよ。」
一寸法師:「山の向こうには何があるの?」
お父さん:「大きな都さ。」
一寸法師:「へえ~。都ってどんなところ?」
お父さん:「きれいなところだよ。人がたくさんいて、店もたくさんあって、にぎやかなところだ。」
一寸法師:「そうなんだ!じゃあ、僕、都に行く!!」
お父さん:「ええ!!」
一寸法師:「都に行って、侍になりたいんだ!!いいよね!?」
お父さん:「そ、それは…」
お父さんとお母さんは、小さな一寸法師が都で一人で生活できるか不安でした。
でも、一寸法師は行くと言って聞きません。
両親は、とうとう許可を出しました。
都に行くには、川を下っていかなければなりません。
出発の日、両親は川まで一寸法師を見送りに行きました。
お母さん:「気をつけてね。」
お父さん:「体に気をつけて。」
一寸法師:「お父さんもお母さんも元気でね!今までありがとう!」
一寸法師は、両親に手を振ると川を下り始めました。
小さな一寸法師はお椀の船に乗って、箸のオールを使って上手に川下りをします。
どのくらい船に乗っていたでしょう。
一寸法師の船はやっと都に着きました。
一寸法師:「うわあ~!これが都か!!」
都はとても大きく、人がたくさんいてにぎやかでした。
一寸法師は、さっそく仕事を探しました。
一寸法師:「よし、この大きなおやしきに行ってみよう。」
おやしきの主人は、一寸法師の小ささに驚きましたが、元気でやる気のある一寸法師を気に入り、お姫様の家来にしました。
お姫様 :「ずいぶん小さいお侍さんね。どうぞよろしく。」
一寸法師:「はい!小さいですが、お姫様をお守りします!よろしくお願いします。」
一寸法師は、お姫様のお手伝いをしたり、剣の修行をしました。
もちろん一寸法師の剣は、普通の剣ではなく、両親からもらった針の剣です。
それから何年もたって、ちょうど桜がきれいな春がやってきました。
ある日、お姫様は家来たちといっしょに清水寺へお参りに行くことになりました。
一寸法師もいっしょです。
お姫様は、清水寺でお参りをして、帰りの山道にさしかかりました。
すると、突然…ガサガサガサガサ…
大きな鬼が出てきました。
鬼 :「ははは。きれいな娘だ!もらっていこう。」
家来たち:「うわあー!!」
家来たちは鬼が怖くて逃げだしました。
鬼に向かって行ったのは、一寸法師だけです。
一寸法師:「やい!お姫様は渡さないぞ!!やあ!!!」
一寸法師は針の剣を振り回して言いました。
鬼 :「なんだ?お前。ははは、米粒みたいなのが騒いでおるわ。」
一寸法師:「なんだと!!えいや!!」
鬼は、一寸法師をつまみ上げると、パクッと食べてしまいました。
お姫様 :「ああ!一寸法師が!」
家来たちもびっくりして動けなくなってしまいました。
鬼 :「さあ、娘をもらおうか!………うっ…うぅっ…!!」
鬼は急に苦しみだしました。
鬼 :「ぎゃあーーー!いたたたたた!!」
食べられたはずの一寸法師がお腹の中で生きていたのです。
一寸法師は、鬼のお腹の中を針でチクチクと刺しました。
鬼 :「まいった!もう悪さしないから!許してくれ!」
一寸法師:「よし、もう出てくるなよ!」
一寸法師は鬼の口から出てきました。
鬼は泣きながら走って逃げていきました。
お姫様 :「無事だったのね!」
お姫様は一寸法師のところへ走ってきました。
一寸法師:「はい、私は無事です!」
お姫様 :「あら?これは…打ち出のこづちね!鬼が落としていったんだわ。」
一寸法師:「打ち出のこづちとは何ですか。」
お姫様 :「これは、願い事がなんでも叶うこづちですよ。一寸法師は、何かお願い事がありますか。」
一寸法師:「はい、私は大きくなりたいです!みんなと同じ大きさになったらもっと強くなることができます!」
お姫様 :「わかりました。」
そして、お姫様は一寸法師の前に立って、打ち出のこづちを大きく振りました。
お姫様 :「大きくな~れ。大きくな~れ。」
お姫様が打ち出のこづちを振るたびに、一寸法師の体は大きくなり、あっという間にお姫様より大きくなりました。
何年も経って、一寸法師は立派な青年になり、みんなから認められてお姫様と結婚し、いつまでも幸せに暮らしました。
いかがでしたか。
有名な昔話なので、聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれませんね。
分からなかった漢字や、単語があれば是非ご自身で調べてみてください。
物語の中から普段使えそうな単語や表現を見つけて、実際に使ってみるのもいいですね。
それでは、また次回のblogでお会いしましょう!
良い週末を!