アンデルセン童話を日本語で読んでみましょう!「おやゆび姫」をご紹介します!
皆さん、こんにちは。
もう桜の季節がやってきますね!
ここ数年は、コロナの影響でお酒を飲んだり、大勢の人が集まるお花見は禁止されていましたが、今年は制限されないようです。
日本に来てから、まだちゃんとお花見をしていない!という方は、是非今年こそお花見デビューしてみてくださいね!
さて、春はお花がきれいな季節ということで、今日はお花から生まれた小さな女の子のお話をご用意しました。
是非、最後までご覧ください!
「おやゆび姫」
あるところに、お花が好きな女の子がいました。
女の子は、お母さんからもらった花を大切に育てていました。
ある日、女の子が花に水をやろうとして、花を見てみると、お花の中にとてもとても小さい女の子が座っていました。
お花から生まれた小さな女の子は、人間の親指くらいの大きさだったので、おやゆび姫と名付けられました。
女の子は、おやゆび姫が大好きで、それはそれは大切に育てました。
ところがある日、窓の外に一匹のお母さんヒキガエルがやってきて言いました。
ヒキガエル:「なんてかわいい子なんでしょう…。ちょうど、息子のお嫁さんを探していたところなの。家へ連れて帰って息子と結婚させましょう。」
ヒキガエルは眠っているおやゆび姫を抱きかかえて、誘拐してしまいました。
おやゆび姫が目を覚ますと、そこは川の近くのヒキガエルの家でした。
おやゆび姫:「ここはどこ?家へ帰らせてください!」
ヒキガエル:「だめですよ。これからあなたは、私の息子のお嫁さんになるんだから。」
おやゆび姫は、家が恋しくて泣きました。
すると、そんなおやゆび姫をかわいそうに思った川の魚たちが、おやゆび姫を手伝って、カエルのところから逃がしてくれました。
おやゆび姫は、小さな葉っぱの船に乗って、川を流れていきました。
何日も経ってある寒い日、おやゆび姫はとうとうお腹が空いて歩けなくなってしまいました。
おやゆび姫が、道の真ん中で倒れていると、ねずみのおばさんが声をかけてくれました。
ねずみ :「あら、どうしたの?大丈夫?」
おやゆび姫:「もう何日も食べていないんです。お腹がペコペコで歩けないのです…」
ねずみ :「それはかわいそうねぇ…。じゃあ、家へいらっしゃい。おいしいご飯をごちそうするわ。」
おやゆび姫:「ありがとうございます。」
親切なねずみのおばさんは、おやゆび姫を家へ案内して、暖かい服と、おいしいご飯をくれました。
地面の穴の中のねずみの家は、とても暖かくておやゆび姫は、この家を好きになりました。
ねずみ :「もしよかったら、一緒にここに住んでもいいのよ。」
おやゆび姫:「ありがとうございます。実は、自分の家がどこなのか分からなくて困っていたんです。」
ねずみ :「そうなの。大変だったわね。」
こうして、ねずみのおばさんとおやゆび姫は二人で楽しく暮らし始めました。
しかし、隣の家に住んでいるお金持ちのモグラがおやゆび姫のことを好きになり、おやゆび姫に結婚を申し込みました。
おやゆび姫は、悩みました。
ねずみ :「いいじゃないですか。家には、いつも少しの食べ物しかないけれど、モグラさんはお金持ちだから、もっといい暮らしができると思うよ。」
おやゆび姫:「そうですね…」
ねずみのおばさんの家は、裕福ではなかったので、おやゆび姫もいつまでもこの家にいるのが申し訳なくなってきました。
そして、モグラと結婚することにしました。
そんなある日、おやゆび姫は、怪我をして倒れているツバメを見つけました。
おやゆび姫:「まあ!大丈夫?今、手当してあげるわ!」
ツバメは体が痛くて、何も言えませんでした。
おやゆび姫はツバメを助けて、怪我が治るまで毎日お世話をしました。
やがて、ツバメは元気になり空を飛べるようになりました。
ツバメ :「助けてくれてありがとう!私は、これから南の国へ行くつもりなんだ。よかったら、君も一緒に来ないか?」
おやゆび姫:「ええ!いいの?行ってみたい!」
おやゆび姫は今まで、自分の行きたいと思ったところに行けなかったので、ツバメが誘ってくれてとてもうれしかったのです。
そして、ツバメはおやゆび姫を背中に乗せ、南の国へ飛び立ちました。
暖かい南の国へ着くと、そこにはおやゆび姫と同じ大きさの王子様が立っていました。
おやゆび姫:「私と同じ大きさの人、初めて見た!」
王子様 :「やあ、お姫様。ここは私の国なんだ。ツバメを直してくれてありがとう。お礼にこの国を案内するよ。」
こうして、王子様とおやゆび姫はたちまち仲良くなり、結婚することになりました。
おやゆび姫は、王子様とツバメといつまでも幸せに暮らしました。
いかがでしたか。
おやゆび姫は、アンデルセンの童話です。
色々な動物からプロポーズされてしまうおやゆび姫は、とても美しかったに違いありませんね!
結婚を申し込まれたり、逃げたり、すてきな人に出会ったり…まさに波乱万丈な人生と言えるでしょう。
最後は、自分の行きたいところに行くと決めて、南の国へ旅立ちました。結果、王子様と出会うことができて、良かったですね。
それでは、今日のお話はここまで。
また次回お会いしましょう!