丁寧な日本語を話してみましょう!お話の中から尊敬語や謙譲語が勉強できますよ!

皆さん、こんにちは。
突然ですが、皆さんは日本語の尊敬語、謙譲語はマスターしていますか?
苦手だな…と感じている方が多いのではないでしょうか。
そこで、今日は、丁寧な日本語を話す練習をしてみましょう!
慣れればそんなに難しくないので、たくさん読む!たくさん言う!を目標に練習してみてください。
前回紹介した、「浦島太郎」というお話から問題6題出します。
レベルチェックや、復習に是非使ってくださいね!
「浦島太郎」
昔々、浦島太郎という若い男がいました。
太郎は、海で魚をとる漁師でした。
ある時、太郎が海辺を歩いていると、3人の子供たちが集まって何かしていました。
太郎が近くに行って、見てみると、子供たちは一匹のかめを棒でつついていじめていました。
太郎:「おい、君たち動物をそんなふうにいじめてはいけないよ。」
すると、子供たちはみんな逃げていきました。
太郎:「大丈夫かい?」
かめ:「はい、ありがとうございます。すみません、お名前は何というんですか。」
太郎:「浦島太郎だ。」
かめ:「太郎さん、 (1) お礼に、海の美しいお城へ (2) 。」
太郎:「ええ、いいのかい?」
かめ:「はい、では、私の背中に乗ってください。」
太郎は言われた通り、かめの背中に乗って甲羅をしっかりつかみました。
かめがしばらく海の底へと泳いでいくと、そこには太郎が見たこともないような立派なお城が建っていました。
太郎:「わあ、すごいや。」
かめ:「これは、海のお城、竜宮城というんです。」
太郎:「夢みたいだ。」
かめ:「さっそく、中に入りましょう。」
太郎とかめがお城の大きな門の中に入ると、お城の中からきれいなお姫さまが出てきました。
かめ:「太郎さん、 (3) は、乙姫さまです。この竜宮城のお姫さまです。」
太郎:「なんてきれいなんだ…!」
乙姫:「太郎さんが、かめを (4) んですね。どうもありがとう。ゆっくりしていってくださいね。」
太郎は、大きな部屋に案内されて、たくさんのおいしいごちそうを食べました。
竜宮城の美しい女性たちが、太郎のために歌を歌ったり、楽器を演奏したり、踊りを踊ってくれました。
太郎:「こんなに幸せな時間は、初めてだよ。」
乙姫:「それは、よかったです。お酒も (5) ね。」
太郎:「ありがとうございます。」
乙姫:「太郎さん、もしよかったら、ここで暮らしませんか。」
太郎:「いいのですか!こんな暮らしができるなら、毎日ここにいたいと思っていたんです。」
そして、太郎は竜宮城に住み始めました。
毎日、おいしいご飯を食べて、魚やかめと散歩したり、踊ったりしました。
乙姫さまともたくさん楽しいお話をして過ごしました。
夢のように幸せな毎日でした。
しかし、太郎はだんだん自分の家が心配になってきました。
太郎:「乙姫さま、私、そろそろ家へ帰ります。ここでの生活は、楽しかったけど、もう何日も家へ帰っていないから、家族や友達も心配していると思うんです。」
乙姫:「そうですか。残念です。いつまでもここにいてほしかったけど…」
乙姫さまは、悲しそうに一つの箱を太郎の前に出しました。
乙姫:「それでは、この玉手箱を (6) ください。私からのプレゼントです。でも、絶対にこの箱は開けてはいけませんよ。」
太郎:「乙姫さま、今までありがとう。またいつか会えたらうれしいな。」
太郎は、もらった金色の玉手箱を持って、かめの背中に乗り、陸へ帰りました。
陸について、村まで歩いてきましたが、どうも村の様子が変です。
太郎は、自分の家へ帰ろうとしましたが、家がないのです。
太郎:「おーい、お母さーん、お父さーん。」
家族や、友達もみんないなくなっていて、周りには知らない人ばかりです。
どうすればいいか分からなくなった太郎は、乙姫さまにもらった玉手箱を開けてしまいました。
すると、白い煙がもくもくもくもく…
太郎は、あっという間に白いひげのおじいさんになってしまいました。
問題 ①~④の中で、一番丁寧で正しいのはどれですか。選びましょう。
(1)①助けてあげた ②助けていただいた ③助けられた ④助けてもらいました
(2)①招待していただかれます ②ご招待なさいます ③招待されます ④ご招待します
(3)①あの人 ②あの女 ③あの方 ④あれ
(4)①助けてくださった ②助けていただいた ③助けた ④助けてあげた
(5)①お召し上がり ②召し上がって ③お飲みいただいて ④お飲んで
(6)①持ってきて ②持って帰っていただいて ③お持って ④お持ち
解答
(1)②助けていただいた
かめは、太郎に助けてもらったので、“もらった”の謙譲語“いただいた”を使います。
Sample1 レポートを直していただいたお礼に、今度ごちそうしますよ。
Sample2 東京を案内していただいたお返しに、アメリカのお土産をプレゼントしようと思います。
①助けてあげた だと、かめが太郎を助けたことになってしまいます。
また、③助けられた は受身表現なので、かめは太郎に助けてもらったことを少し迷惑に感じている表現になってしまいます。
③助けられた は、「太郎さんは、かめを助けられた」のように太郎の行動を指す、尊敬語にもなりますが、今回の文ではどちらも当てはまりませんね。
(2)④ご招待します
自分の行動について言う時の、「お/ご~します」という謙譲語です。
②ご招待なさいます と③招待されます は、尊敬語です。
この文では、かめが“招待する”ので、自分の行動について言う謙譲語を使います。
Sample1 いらっしゃいませ。それでは、お席にご案内します。
Sample2 お荷物をお預かりしますね。
(3)③あの方
③あの方 が一番丁寧ですね。他の①②④どれを使っても文法上は問題ありませんが、②あの女 や、④あれ なんて使ったら、失礼になってしまいますよね。
どうしても、女の人であることを言いたいときは、“あの女性”“あちらの女性”を使うといいですね。
Sample1 あの方は、どなたですか?
Sample2 あの方が、XXカンパニーの社長ですよ。
(4)①助けてくださった
「太郎さんが、かめを助けてくれたんですね。」という文を丁寧に言うと、“くださった”になります。
Sample1 先生が、写真を見せてくださいました。
Sample2 社長が、私たちを京都に連れて行ってくださいました。
②助けていただいた は、「かめは、太郎さんに助けていただいた」という文になります。誰についての話なのか、助詞は何を使うのかが変わります。
何度も読んで、口で覚えてしまいましょう!
(5)②召し上がって
“飲む”の尊敬語は“召し上がる”ですね。これは、聞いたことがあると思います。
Sample1 これ、お土産です。どうぞ、皆さんで召し上がってください。
「お召し上がりください」というフレーズは、日本のレストランやケーキの箱の注意書きなんかでよく見かけますね。
(レストランで) どうぞ、ごゆっくりお召し上がりください。
(ケーキの箱に) 本日中にお召し上がりください。
しかし、正しい日本語は「召し上がってください」です。
“召し上がる”は、もう十分丁寧な尊敬語なので、その前に“お”は付けなくていいのです。
これから、尊敬語、謙譲語を頑張って覚えよう!という皆さんは、是非正しい日本語を覚えてくださいね。
(6)④お持ち
相手に何かしてほしい時は、「お/ご~ください」を使いますね。
「お持ちください」は、「持ってきてください」「持って帰ってください」どちらの意味もあります。
Sample1 明日の試験には、筆記用具と学生カードをお持ちください。
Sample2 こちらのパンフレットは、ご自由にお持ちください。
いかがでしたか。
問題を解いてみて、うーんやっぱり難しい!と感じた方は、教科書や前回の私たちのブログ「浦島太郎」など、正しい日本語、敬語で書かれた文をたくさん読んでみてください。
「浦島太郎」全文はこちら!声に出して日本の昔話を読んでみよう!
それでは、また次のブログでお会いしましょう!