いっしょに日本語のリーディングを始めてみませんか。たくさん読んで、楽しく練習しましょう!

2023/02/13 ブログ

こんにちは!

楽しい日本語リーディングのはじまりです!

いっしょに日本語のお話を読んで、たくさん勉強しましょう!

 

初級J-011 BOOKベーシック

■こちらは「ベーシック日本語リーディング」のコーナーです■

 

今日のメニューは、

①鶴の恩返し

②十二支のはじまり

二つのお話と、問題、会話の練習があります。

 

①「鶴の恩返し」

あるところに、親切なおじいさんがいました。

ある寒い冬の日のことです。

おじいさんが山から家へ帰る途中、どこからかツルの声が聞こえました。

見てみると、一羽のツルが、足を怪我して動けなくなっていました。

おじいさん:「おや、怪我したのかい?痛そうだね…。」

おじいさんは、ツルの足に薬を塗ってやりました。

ツルは、元気に飛んでいきました。

 

その日の夜、おじいさんは今日のツルのことをおばあさんに話しました。

おばあさんも、ツルが元気に飛んでいったことを聞いてうれしそうでした。

すると、トントントン…

誰かがドアをノックしました。

おじいさん:「こんな夜遅くに誰だろう…?」

おじいさんが、ドアを開けると、そこには若い娘が立っていました。

娘    :「夜遅くにすみません。道に迷ってしまいまして…今晩泊めていただけませんか。」

おじいさん:「それはそれは、大変だったね。さあさあ、早く家へ入って。」

おじいさんは娘を家の中へ入れ、おばあさんは娘のために温かいおかゆを作ってやりました。

娘は、おいしそうにそのおかゆを食べました。

おばあさん:「こんな寒い時に、どこへ行くつもりだったんだい?」

娘    :「実は、私はどこも行くところがないのです。」

おじいさん:「そうか、それなら私たちといっしょに住まないか?」

娘    :「え!本当にいいんですか?ありがとうございます。私もお二人のお手伝いをします。よろしくお願いします。」

次の日の朝、娘はおじいさんとおばあさんより早く起きて、朝ご飯の準備をしようと思いました。

ですが、台所をみると魚もお米もありません。

昨日、おばあさんがくれたおかゆが最後のお米だったのです。

娘は、考えました。

そして、たくさんの糸を持って、機織り部屋に入っていきました。

キーカタン、キーカタン

娘は、機織りをして、きれいな布を作りました。

そして、おじいさんとおばあさんにできた布を見せました。

おばあさん:「まあ!!!きれいだねぇ。これは、お前さんが作ったのか?」

娘    :「ええ、町へ行って、この布を売ってください。そして、そのお金でお米や魚を買ってください。」

おじいさん:「ありがとう。行ってくるよ。」

おじいさんは、町で布を売って、そのお金で食べ物をたくさん買いました。

娘には、きれいなヘアブラシをお土産に買いました。

その夜、三人はお腹いっぱいにご飯を食べました。

おじいさん:「娘や、本当にありがとう。お前さんが来てくれてうれしいよ。」

娘    :「私もです。じゃ、私はもう一つ布を作ってから寝ます。おじいさんとおばあさんは、先に休んでください。」

おばあさん:「ええ!もう夜だよ。まだ仕事をするのかい?」

娘    :「はい、もう一つ作りたいんです。でも、一つ約束をしてください。」

おじいさん:「約束?」

娘    :「はい、私が機織り部屋で布を作っているところは、絶対に見ないでください。」

おじいさん:「はあ、見てはいけないのか……わかった。約束しよう。」

 

次の日も、次の日も、娘は布を作りました。

すると、娘はだんだん元気がなくなっていきました。

おじいさんとおばあさんはとても心配しました。

おばあさん:「今日はもう休んだほうがいいよ。」

おじいさん:「そうだ。無理をしてはいけないよ。」

娘    :「私は大丈夫です。」

そう言って、娘は一人で機織りの部屋に入ってしまいました。

おばあさん:「大丈夫かなぁ。最近元気がないから…」

おじいさん:「心配だな…。よし、少し見てみよう。」

おばあさん:「でも、娘との約束が…!」

おじいさんは、機織り部屋のドアを少し開けて、中を見てしまいました。

すると、そこには一羽のツルがいました。

ツルは、自分の羽を使って布を作っていました。

おじいさん:「あれは……!」

ツルは、おじいさんに気が付いて言いました。

ツル   :「ああ、見てしまったのですね。そうです。私は、あの時おじいさんに助けてもらったツルです。おじいさんにお礼がしたくて、ここに来ました。でも、もうここにはいられません。」

おじいさん:「待って!どこへも行かないで!」

おじいさんとおばあさんは、泣きながらツルを呼びました。

ツル   :「さようなら。ありがとう。」

ツルはおじいさんにもらったきれいなヘアブラシを持って、空に飛んでいきました。

 

 

問題 本文を読んで、正しいものには〇、間違っているものには×を付けてください。

例)おじいさんとおばあさんはとても親切です。(〇)

1、ある冬の日、怪我をしているツルを、おじいさんが助けました。

2、その夜、一人のおばあさんが、家に来ました。

3、おじいさんの家には、あまりお金がありません。

4、娘とおじいさんとおばあさんは、3人できれいな布を作りました。

5、娘が全然休まないので、おじいさんとおばあさんは心配です。

6、娘は、おじいさんが助けたツルでした。そして、3人はずっといっしょに生活しました。

 

 

 

 

 

 

答え

1、〇

2、×

3、〇

4、×

5、〇

6、×

 

「鶴の恩返し」は日本の昔話です。2023年1月6日のblogでご紹介しました!

ベースはN3レベルの日本語です。

「鶴の恩返し」のエピソードはこちら↓

https://nihongojikan.jp/blog/20230106-4033/

 

 

②「十二支はじまり」

2023年はうさぎ年です。

日本では、毎年その年の王様の動物がいます。

今年はうさぎですが、来年はたつです。

全部で12匹の動物が、一年一年交代で王様になるのです。

そんな動物の王様を神様が決めたときのお話です。

 

ある時、神様が山の下に看板を立てました。

「動物の皆さん。1月1日の朝、山の一番上の私の家へ来てください。12匹の王様を決めます。早く来た人から12匹ですから、遅れないようにしてください。」

動物たちはその看板を見て、びっくりしました。

自分が王様になれるかもしれません。

みんな1月1日を楽しみに待っていました。

でも、ねこだけは、そのことを知りませんでした。

ねこは、ねずみのところへ行って聞きました。

ねこ  :「ねずみ君!みんな、来年が楽しみだと言っているけれど、何か特別なイベントがあるの?」

ねずみ:「え?ねこさん、知らないの?神様が、動物の王様を決めてくださるんだよ。」

ねこ  :「へぇー!どうやって決めるの?」

ねずみ:「みんなで、神様の家まで、レースするんだ。一番速い人から12番目までが王様さ!みんな、王様になるために、今から準備しているよ。」

ねこ  :「そうなんだ!で、それはいつなの?」

ねずみ:「えーっと、それはね……1月2日だよ!」

ねこ  :「わかった!ありがとう!」

ねずみは、うその日を教えました。

 

そして、12月31日になりました。

夜、牛はゆっくり出発しました。

牛  :「私は、歩くのが遅いから、今から出発しないと間に合わない。」

その牛をねずみが見ていました。

ねずみ:「お?牛さん、早いねえ~。よし、牛さんの背中に乗って、神様の家まで送ってもらおう。」

そして、歩いている牛の背中にぴょん!と乗ると、そのまま寝てしまいました。

 

さあ、1月1日の朝です。

みんな急いで準備しました。

うさぎやとらは、走るのが速いので、すぐに山まで来ました。

そのあと、たつやヘビ、馬、羊も山に着きました。

猿と犬はけんかしていましたが、にわとりが来てくれたので、3匹で行くことにしました。

さあ、どの動物が一番早く着いたでしょう。

一番早く来たのは、前の日から準備していた牛でした。

でも、牛が神様の家に着いた時、背中に乗っていたねずみが起きて、牛より先にゴールしてしまいました。

そのあとが、牛です。

そして、とら、うさぎ、たつ、ヘビ、馬、羊、猿、にわとり、犬が来ました。

最後に、いのししが走ってゴールしました。

神様 :「これで、動物の王様が決まりましたね。」

 

次の日、ねこは神様のところへ来ました。

トントントン…

神様 :「なんだい?もう王様は決まってしまったよ。」

ねこ  :「なんですってーー!!!?」

ねこは、ねずみがうそをついたことを知りました。

それから、ねこはねずみが大嫌いになりました。

 

 

問題 本文を読んで、正しいものには〇、間違っているものには×を付けてください。

1、1月1日に動物の王様を決めます。

2、1月1日に神様の家に来た人は、誰でも王様になれます。

3、ねこは、このことをねずみに教えてあげました。

4、ねずみはうそを言いました。

5、牛は歩くのが遅いので、一番遅く来ました。

6、ねこは、次の日に神様の家へ行きました。

 

 

 

 

 

 

答え

1、〇

2、×

3、×

4、〇

5、×

6、〇

 

 

「十二支のはじまり」は中国の昔話です。2022年10月14日のblogで紹介しました!

ベースはN4レベルの日本語です。

「十二支のはじまり」のエピソードはこちら↓

https://nihongojikan.jp/blog/20221014-3979/

 

お話は面白かったですか。

もう少し会話の勉強もしましょう!!

会話練習 

★あなたは、部長に新年会に誘われました。新年会は、来週の金曜日です。

でも、どこで何時にやるか、忘れてしまったので、同じチームの中村さんに聞きます。

 

あなた:「中村さん、すみません。この間、部長に新年会に             。」

中村 :「ええ。」

あなた:「                        。」

中村 :「ああ、いいですよ。えーっと、場所はさくらというお店ですよ。」

あなた:「ありがとうございます。       。」

中村 :「午後7時からです。」

あなた:「金曜日のその時間は、お店が        。」

中村 :「はい。でも、部長がお店を予約してくださったので、大丈夫だと思います。」

あなた:「そうなんですか。楽しみですね。」

 

★あなたは、友達の田中さんとラーメンについて話しています。

田中 :「ふぅ、今日も寒いね。」

あなた:「明日は、            。」

田中 :「そうだね。寒い時は、やっぱりラーメンが食べたくなるよね。」

あなた:「うん。そういえば、                      ?」

田中 :「知らない!おいしいの?」

あなた:「私もまだ                       。」

田中 :「じゃ、今度行こうよ。」

あなた:「うん、そうしよう。」

 

 

会話の例

★あなたは、部長に新年会に誘われました。新年会は、来週の金曜日です。

でも、どこで何時にやるか、忘れてしまったので、同じチームの中村さんに聞きます。

 

あなた:「中村さん、すみません。この間、部長に新年会に 誘っていただきましたよね 。」

中村 :「ええ。」

あなた:「 どこでやるか忘れてしまったので、教えてくださいませんか 。」

中村 :「ああ、いいですよ。えーっと、場所はさくらというお店ですよ。」

あなた:「ありがとうございます。 何時からですか 。」

中村 :「午後7時からです。」

あなた:「金曜日のその時間は、お店が 混みそうですね 。」

中村 :「はい。でも、部長がお店を予約してくださったので、大丈夫だと思います。」

あなた:「そうなんですか。楽しみですね。」

 

★あなたは、友達の田中さんとラーメンについて話しています。

駅前に新しいラーメン屋さんができたことを話します。

 

田中 :「ふぅ、今日も寒いね。」

あなた:「明日は、もっと 寒くなりそうだよ  。」

田中 :「そうだね。寒い時は、やっぱりラーメンが食べたくなるよね。」

あなた:「うん。そういえば、 駅前に新しいラーメン屋さんができたの、知ってる ?」

田中 :「知らない!おいしいの?」

あなた:「私もまだ 行ったことがないんだけどね  おいしそうだったよ 。」

田中 :「じゃ、今度行こうよ。」

あなた:「うん、そうしよう。」

 

 

今日の日本語の勉強は終わりです!

今日もたくさん勉強しましたね。

また私たちのリーディングblogに遊びに来てくださいね!

それでは、みなさんよい一週間を!