いっしょに日本語のリーディングを始めてみませんか。たくさん読んで、楽しく練習しましょう!
こんにちは!
楽しい日本語リーディングのはじまりです!
いっしょに日本語のお話を読んで、たくさん勉強しましょう!
初級J-011 BOOKベーシック
■こちらは「ベーシック日本語リーディング」のコーナーです■
今日のメニューは、
①鶴の恩返し
②十二支のはじまり
二つのお話と、問題、会話の練習があります。
①「鶴の恩返し」
あるところに、親切なおじいさんがいました。
ある寒い冬の日のことです。
おじいさんが山から家へ帰る途中、どこからかツルの声が聞こえました。
見てみると、一羽のツルが、足を怪我して動けなくなっていました。
おじいさん:「おや、怪我したのかい?痛そうだね…。」
おじいさんは、ツルの足に薬を塗ってやりました。
ツルは、元気に飛んでいきました。
その日の夜、おじいさんは今日のツルのことをおばあさんに話しました。
おばあさんも、ツルが元気に飛んでいったことを聞いてうれしそうでした。
すると、トントントン…
誰かがドアをノックしました。
おじいさん:「こんな夜遅くに誰だろう…?」
おじいさんが、ドアを開けると、そこには若い娘が立っていました。
娘 :「夜遅くにすみません。道に迷ってしまいまして…今晩泊めていただけませんか。」
おじいさん:「それはそれは、大変だったね。さあさあ、早く家へ入って。」
おじいさんは娘を家の中へ入れ、おばあさんは娘のために温かいおかゆを作ってやりました。
娘は、おいしそうにそのおかゆを食べました。
おばあさん:「こんな寒い時に、どこへ行くつもりだったんだい?」
娘 :「実は、私はどこも行くところがないのです。」
おじいさん:「そうか、それなら私たちといっしょに住まないか?」
娘 :「え!本当にいいんですか?ありがとうございます。私もお二人のお手伝いをします。よろしくお願いします。」
次の日の朝、娘はおじいさんとおばあさんより早く起きて、朝ご飯の準備をしようと思いました。
ですが、台所をみると魚もお米もありません。
昨日、おばあさんがくれたおかゆが最後のお米だったのです。
娘は、考えました。
そして、たくさんの糸を持って、機織り部屋に入っていきました。
キーカタン、キーカタン
娘は、機織りをして、きれいな布を作りました。
そして、おじいさんとおばあさんにできた布を見せました。
おばあさん:「まあ!!!きれいだねぇ。これは、お前さんが作ったのか?」
娘 :「ええ、町へ行って、この布を売ってください。そして、そのお金でお米や魚を買ってください。」
おじいさん:「ありがとう。行ってくるよ。」
おじいさんは、町で布を売って、そのお金で食べ物をたくさん買いました。
娘には、きれいなヘアブラシをお土産に買いました。
その夜、三人はお腹いっぱいにご飯を食べました。
おじいさん:「娘や、本当にありがとう。お前さんが来てくれてうれしいよ。」
娘 :「私もです。じゃ、私はもう一つ布を作ってから寝ます。おじいさんとおばあさんは、先に休んでください。」
おばあさん:「ええ!もう夜だよ。まだ仕事をするのかい?」
娘 :「はい、もう一つ作りたいんです。でも、一つ約束をしてください。」
おじいさん:「約束?」
娘 :「はい、私が機織り部屋で布を作っているところは、絶対に見ないでください。」
おじいさん:「はあ、見てはいけないのか……わかった。約束しよう。」
次の日も、次の日も、娘は布を作りました。
すると、娘はだんだん元気がなくなっていきました。
おじいさんとおばあさんはとても心配しました。
おばあさん:「今日はもう休んだほうがいいよ。」
おじいさん:「そうだ。無理をしてはいけないよ。」
娘 :「私は大丈夫です。」
そう言って、娘は一人で機織りの部屋に入ってしまいました。
おばあさん:「大丈夫かなぁ。最近元気がないから…」
おじいさん:「心配だな…。よし、少し見てみよう。」
おばあさん:「でも、娘との約束が…!」
おじいさんは、機織り部屋のドアを少し開けて、中を見てしまいました。
すると、そこには一羽のツルがいました。
ツルは、自分の羽を使って布を作っていました。
おじいさん:「あれは……!」
ツルは、おじいさんに気が付いて言いました。
ツル :「ああ、見てしまったのですね。そうです。私は、あの時おじいさんに助けてもらったツルです。おじいさんにお礼がしたくて、ここに来ました。でも、もうここにはいられません。」
おじいさん:「待って!どこへも行かないで!」
おじいさんとおばあさんは、泣きながらツルを呼びました。
ツル :「さようなら。ありがとう。」
ツルはおじいさんにもらったきれいなヘアブラシを持って、空に飛んでいきました。
問題 本文を読んで、正しいものには〇、間違っているものには×を付けてください。
例)おじいさんとおばあさんはとても親切です。(〇)
1、ある冬の日、怪我をしているツルを、おじいさんが助けました。
2、その夜、一人のおばあさんが、家に来ました。
3、おじいさんの家には、あまりお金がありません。
4、娘とおじいさんとおばあさんは、3人できれいな布を作りました。
5、娘が全然休まないので、おじいさんとおばあさんは心配です。
6、娘は、おじいさんが助けたツルでした。そして、3人はずっといっしょに生活しました。
答え
1、〇
2、×
3、〇
4、×
5、〇
6、×
「鶴の恩返し」は日本の昔話です。2023年1月6日のblogでご紹介しました!
ベースはN3レベルの日本語です。
「鶴の恩返し」のエピソードはこちら↓
https://nihongojikan.jp/blog/20230106-4033/
②「十二支はじまり」
2023年はうさぎ年です。
日本では、毎年その年の王様の動物がいます。
今年はうさぎですが、来年はたつです。
全部で12匹の動物が、一年一年交代で王様になるのです。
そんな動物の王様を神様が決めたときのお話です。
ある時、神様が山の下に看板を立てました。
「動物の皆さん。1月1日の朝、山の一番上の私の家へ来てください。12匹の王様を決めます。早く来た人から12匹ですから、遅れないようにしてください。」
動物たちはその看板を見て、びっくりしました。
自分が王様になれるかもしれません。
みんな1月1日を楽しみに待っていました。
でも、ねこだけは、そのことを知りませんでした。
ねこは、ねずみのところへ行って聞きました。
ねこ :「ねずみ君!みんな、来年が楽しみだと言っているけれど、何か特別なイベントがあるの?」
ねずみ:「え?ねこさん、知らないの?神様が、動物の王様を決めてくださるんだよ。」
ねこ :「へぇー!どうやって決めるの?」
ねずみ:「みんなで、神様の家まで、レースするんだ。一番速い人から12番目までが王様さ!みんな、王様になるために、今から準備しているよ。」
ねこ :「そうなんだ!で、それはいつなの?」
ねずみ:「えーっと、それはね……1月2日だよ!」
ねこ :「わかった!ありがとう!」
ねずみは、うその日を教えました。
そして、12月31日になりました。
夜、牛はゆっくり出発しました。
牛 :「私は、歩くのが遅いから、今から出発しないと間に合わない。」
その牛をねずみが見ていました。
ねずみ:「お?牛さん、早いねえ~。よし、牛さんの背中に乗って、神様の家まで送ってもらおう。」
そして、歩いている牛の背中にぴょん!と乗ると、そのまま寝てしまいました。
さあ、1月1日の朝です。
みんな急いで準備しました。
うさぎやとらは、走るのが速いので、すぐに山まで来ました。
そのあと、たつやヘビ、馬、羊も山に着きました。
猿と犬はけんかしていましたが、にわとりが来てくれたので、3匹で行くことにしました。
さあ、どの動物が一番早く着いたでしょう。
一番早く来たのは、前の日から準備していた牛でした。
でも、牛が神様の家に着いた時、背中に乗っていたねずみが起きて、牛より先にゴールしてしまいました。
そのあとが、牛です。
そして、とら、うさぎ、たつ、ヘビ、馬、羊、猿、にわとり、犬が来ました。
最後に、いのししが走ってゴールしました。
神様 :「これで、動物の王様が決まりましたね。」
次の日、ねこは神様のところへ来ました。
トントントン…
神様 :「なんだい?もう王様は決まってしまったよ。」
ねこ :「なんですってーー!!!?」
ねこは、ねずみがうそをついたことを知りました。
それから、ねこはねずみが大嫌いになりました。
問題 本文を読んで、正しいものには〇、間違っているものには×を付けてください。
1、1月1日に動物の王様を決めます。
2、1月1日に神様の家に来た人は、誰でも王様になれます。
3、ねこは、このことをねずみに教えてあげました。
4、ねずみはうそを言いました。
5、牛は歩くのが遅いので、一番遅く来ました。
6、ねこは、次の日に神様の家へ行きました。
答え
1、〇
2、×
3、×
4、〇
5、×
6、〇
「十二支のはじまり」は中国の昔話です。2022年10月14日のblogで紹介しました!
ベースはN4レベルの日本語です。
「十二支のはじまり」のエピソードはこちら↓
https://nihongojikan.jp/blog/20221014-3979/
お話は面白かったですか。
もう少し会話の勉強もしましょう!!
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会話練習
★あなたは、部長に新年会に誘われました。新年会は、来週の金曜日です。
でも、どこで何時にやるか、忘れてしまったので、同じチームの中村さんに聞きます。
あなた:「中村さん、すみません。この間、部長に新年会に 。」
中村 :「ええ。」
あなた:「 。」
中村 :「ああ、いいですよ。えーっと、場所はさくらというお店ですよ。」
あなた:「ありがとうございます。 。」
中村 :「午後7時からです。」
あなた:「金曜日のその時間は、お店が 。」
中村 :「はい。でも、部長がお店を予約してくださったので、大丈夫だと思います。」
あなた:「そうなんですか。楽しみですね。」
★あなたは、友達の田中さんとラーメンについて話しています。
田中 :「ふぅ、今日も寒いね。」
あなた:「明日は、 。」
田中 :「そうだね。寒い時は、やっぱりラーメンが食べたくなるよね。」
あなた:「うん。そういえば、 ?」
田中 :「知らない!おいしいの?」
あなた:「私もまだ 。 。」
田中 :「じゃ、今度行こうよ。」
あなた:「うん、そうしよう。」
会話の例
★あなたは、部長に新年会に誘われました。新年会は、来週の金曜日です。
でも、どこで何時にやるか、忘れてしまったので、同じチームの中村さんに聞きます。
あなた:「中村さん、すみません。この間、部長に新年会に 誘っていただきましたよね 。」
中村 :「ええ。」
あなた:「 どこでやるか忘れてしまったので、教えてくださいませんか 。」
中村 :「ああ、いいですよ。えーっと、場所はさくらというお店ですよ。」
あなた:「ありがとうございます。 何時からですか 。」
中村 :「午後7時からです。」
あなた:「金曜日のその時間は、お店が 混みそうですね 。」
中村 :「はい。でも、部長がお店を予約してくださったので、大丈夫だと思います。」
あなた:「そうなんですか。楽しみですね。」
★あなたは、友達の田中さんとラーメンについて話しています。
駅前に新しいラーメン屋さんができたことを話します。
田中 :「ふぅ、今日も寒いね。」
あなた:「明日は、もっと 寒くなりそうだよ 。」
田中 :「そうだね。寒い時は、やっぱりラーメンが食べたくなるよね。」
あなた:「うん。そういえば、 駅前に新しいラーメン屋さんができたの、知ってる ?」
田中 :「知らない!おいしいの?」
あなた:「私もまだ 行ったことがないんだけどね 。 おいしそうだったよ 。」
田中 :「じゃ、今度行こうよ。」
あなた:「うん、そうしよう。」
今日の日本語の勉強は終わりです!
今日もたくさん勉強しましたね。
また私たちのリーディングblogに遊びに来てくださいね!
それでは、みなさんよい一週間を!