日本語でイソップ物語を読みましょう。「きつねとつる」というお話をご紹介しますよ!

皆さん、こんにちは。
今年ももう終わりですね。
年末でバタバタする時期ですが、風邪を引かないようにしてくださいね!
温かいものを食べて、湯船にしっかり浸かりましょう。
私は、お風呂に好きな入浴剤を入れてゆっくり入る時間が一日のなかで一番好きです。普段はシャワー派の皆さんもこの時期は、湯船に浸かってみてくださいね。疲れがとれますよ。
さて、今日も物語を紹介したいと思います。
ご紹介するのは、イソップ物語の「きつねとつる」というお話です。
それでは、お話の世界へ行ってらっしゃい~!
「きつねとつる」
昔、あるところにいたずら好きなきつねが住んでいました。
きつねは、いつもみんなにいたずらをして、みんなを困らせていました。
ある日のこと、きつねは仲良しのつるにたまたま道であったので、挨拶しました。
「やあ、つるくん!元気?」
「うん、元気だよ。きつねくんは?」
そう聞かれたときに、きつねはあるいたずらを思いつきました。
そして、こう言いました。
「僕も元気さ。そうだ、つるくん。今度家に来てよ。おいしいものをごちそうするよ。」
「本当かい?うれしいなぁ。じゃあ、おじゃまさせてもらうよ。」
「さっそく明日のお昼なんてどうだい?」
「いいね。じゃあまた明日!」
つるは、何にも疑うことなく、家に行くことになりました。
次の日、約束の時間につるがきつねの家にやってきました。
トントントン…
「やあ、きつねくん。お邪魔します。」
「いらっしゃい!さあさあ、上がって上がって!」
きつねは、つるをリビングに案内しました。
リビングにはもうおいしそうな匂いがしています。
「ちょうど今できあがったところだよ。どうぞ召し上がれ。」
きつねは、できたてのスープをつるの前に出しました。
「わあ、これはおいしそうなスープだ。いただきます。」
つるは、さっそくきつねが作ってくれたスープを飲もうとしました。
ところが、スープが平たいお皿に入れてあったので、つるは長いくちばしが邪魔でなかなか上手に飲むことができません。
それどころか、くちばしがカツカツとお皿に当たって、テーブルにたくさんスープをこぼしてしまいました。
きつねは、それを見てとても満足そうに笑いました。
「おや、つるくん。君はだいぶお行儀が悪いんだね。それとも僕のスープがおいしくなかったのかな。」
そういうときつねは、つるの分のスープもペロペロと全部飲んでしまいました。
つるはきつねがわざと飲みにくいお皿を出したことにやっと気が付きました。
そして、残念そうな顔をして帰っていきました。
次の日、今度はつるがきつねを家に誘いました。
「昨日は、ごちそうさま!家に招待してくれてありがとう。お礼に今日は僕がごちそうするよ。」
「ええ、いいのかい?うれしいな!じゃあ、遠慮なく。」
きつねは、昨日自分がしたいたずらのことなんか忘れて、喜んでつるについて行きました。
つるの家に着くと、つるはさっそくキッチンに入っていってごちそうの準備を始めました。
きつねは、テーブルについてどんなごちそうが出てくるのか楽しみに待っていました。
しばらくして、つるがキッチンから出てきました。
「きつねくん、お待たせしたね。おいしいスープができたよ。さあ、遠慮しないでたくさん飲んでね!」
「おいしそうな匂いだ。いただきます!」
きつねはスープを飲もうとしました。
ですが、つるが持ってきたスープは細長い壺に入っています。
つるはその壺に長いくちばしを入れておいしそうにスープを飲んでいますが、きつねは上手に壺に入ったスープを飲むことができません。
つるは自分のスープを全部飲むと、
「ああ、おいしかった。あれ?きつねさん、僕のスープはお口に合わなかったかな?それじゃあ僕がいただくよ。」
と言って、きつねのスープも全部飲んでしまいました。
きつねは、昨日自分がしたことがこんなに友達を悲しくさせていたんだと気付きました。
そして、きつねはつるに謝り、二人はまた仲の良い友達に戻りました。
それから、きつねはいたずらをしなくなったそうです。
いかがでしたか。
自分が誰かにした悪いことは自分にも返ってくるというお話でしたね。ですが、これをきっかけにきつねは自分の悪いところに気が付き、最後はつるとも仲直りできたので、きつねにとってはいい経験になったのではないでしょうか。
私が小さい頃このお話を読んだ時には、つるがきつねの平たいお皿のスープを飲めないのはわかるけど、つるのお家の壺のようなお皿だったらきつねは壺を傾けてコップのようにしてごくごく飲めば、上手に飲めるんじゃないか?と考えていましたが、現実はそううまくはいかないようです。
実は息を自由に吸ったり吐いたり、止めたりできる動物は少ないそうです。ある本では、人間と鳥類と鯨類しかそれができないと書いてありました。ですから、壺のようなお皿から人間のようにごくごくと飲むのは、きつねには難しいかもしれませんね!
それでは、今日はここまで!
また他の物語もお楽しみに!