日本語で昔話を読みましょう!今回は「桃太郎」をご紹介します。
皆さん、こんにちは。
日本語で物語を読むお時間です!
今回は、日本昔話の「桃太郎」を紹介します。楽しみながら日本語を学習してみてくださいね!
「桃太郎」
あるところにおじいさんとおばあさんが住んでいました。
2人はお金持ちではありませんでしたが、それでも村の外れでひっそりと仲良く暮らしていました。
ある日のことです。
おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。
おばあさんが川で洗濯物を洗っていると、どんぶらこどんぶらこと何かが流れてきました。
よく見ると、それは大きな大きな桃でした。
「まあ、なんて大きいんでしょう。家へ持って帰っておじいさんに見せたらとても喜ぶでしょうね。」
おばあさんは、その大きな桃を担いで家へ帰りました。
おじいさんに桃を見せると、おじいさんもびっくり。
「やや、なんて大きな桃なんだ!早速、切って食べてみよう。」
おばあさんが台所から大きな包丁を持ってきて、桃を切ろうとしました。
その時です!
パッカーンと桃が勝手に割れて、中から元気な男の子の赤ちゃんが出てきました。
おぎゃー、おぎゃー!
おじいさんとおばあさんは、とても驚いてその子を抱きかかえました。
子供のいなかった2人はすぐにこの子を育てることに決めました。
男の子は、桃から生まれたので桃太郎と名づけられ、大切に育てられました。
桃太郎は、たくさんご飯を食べてどんどん大きくなり、やがて、立派な青年になりました。
おじいさんとおばあさんと桃太郎は、3人で平和に暮らしていました。
ところがある日、この頃村の人々からお金や宝物を奪い取る悪い鬼がいるという話を聞きつけた桃太郎が、おじいさんとおばあさんにこう言いました。
「おじいさん、おばあさん。村で悪さをしている鬼がいるんだ。僕が鬼ヶ島に行って悪い鬼を退治してくるよ。」
「桃太郎や。鬼はとても強いんだぞ。そんな危険なまねしないでおくれ。」
「そうじゃよ。大切な桃太郎を危ない目にあわせたくないんじゃ。」
おじいさんとおばあさんは、反対しましたが、それでも桃太郎は行くと決めて、言うことを聞きませんでした。
桃太郎は、なんとかおじいさんとおばあさんを説得し、いよいよ鬼退治へと旅立つ日がやってきました。
「ほら、これは元気の出るきびだんごだよ。旅の途中でお腹が空いたら食べなさい。」
おばあさんは、桃太郎のために作ったきびだんごを渡しました。
「ありがとう!行ってきます!」
おじいさんとおばあさんは心配そうに見送りました。
桃太郎は、家が見えなくなるまで何度も振り返って2人に手を振りました。
さあ、鬼退治の旅のはじまりです。
桃太郎は、旅の途中で一匹の犬に出会いました。
「くんくん…。いいにおいがしますね。袋の中に何が入っているんですか?」
犬が聞きました。
「きびだんごだよ。これから鬼ヶ島に鬼退治に行くから、おばあさんが作ってくれたのさ。」
「おいしそうなきびだんごだ。一つ私に分けてくれませんか。お礼にあなたの家来になって、一緒に鬼退治に行きます。」
「ああ、いいとも。」
桃太郎は、犬にきびだんごをあげて、犬は家来になりました。
桃太郎と犬は一緒に歩き始めました。
しばらく行くと、今度は猿に会いました。
「やあやあ、その袋の中に何が入っているんだい?」
「きびだんごさ。これから私たちは鬼退治に行くんだよ。」
犬が得意げに言いました。
「それなら、僕も一緒に鬼退治に行くから、きびだんごを一つ分けておくれよ。」
「もちろん、いいよ。」
そうして桃太郎と犬と猿は、一緒に旅を続けました。
すると今度は、きじに会いました。
「おや、こっちは鬼ヶ島に行く危ない道ですよ。あなたたち鬼退治に行くんですか。」
「そうさ。」
「おお、その袋に入っているものは何ですか。」
「これはおばあさんが作ってくれたきびだんごさ。」
「お一つ私にくださいな。鬼退治の旅のにお供します。」
「ああ、もちろんさ。」
そして、桃太郎と犬と猿ときじは旅を続けました。
しばらく行くと、鬼ヶ島が見えてきました。
「あれが鬼ヶ島だな!」
「さあ、悪い鬼をやっつけろ!」
桃太郎たちは、大きな鬼のお城の門をくぐると、一斉に中にいた鬼たちに飛びかかりました。
桃太郎は刀を使い、犬は鬼のお尻に噛みつき、猿は顔をひっかき、きじは頭をつつきました。
鬼たちは泣きながら、
「まいった、まいった。もう許してくれ!」
と言いました。
「村の人たちから奪った物を返すと約束しろ!」
「わかった。お金や宝物は全部返すよ。もうこんな悪さしない!」
鬼たちは桃太郎と約束しました。
こうして、桃太郎と犬と猿ときじは返してもらったお金や宝物を荷車に積んで、おじいさんとおばあさんが待つ家へと帰っていきました。
いかがでしたか。
日本の昔話の中でも、「桃太郎」は一番有名な物語ですから、聞いたことがある方もいらっしゃったかもしれません。
皆さんの国にもほとんどの人が知っているような有名な物語はありますか。もしあれば、是非聞かせていただきたいです。
それでは、今日はここまで!またお話を読みにきてくださいね!