「鴨とりごんべい」を読んで、日本語の学習をしてみましょう!

みなさん、こんにちは。
今年の秋は暖かい日が多かったですが、やっと冬の雰囲気になってきましたね。
みなさんは冬休みの予定はなにかありますか。今年一年の疲れをゆっくり癒してくださいね!また、年末はお仕事が忙しくなる方もいらっしゃると思いますが、クリスマスやお正月などの楽しいイベントもありますから、風邪を引かないように元気に忙しさを乗り越えていきましょうね!
さて、今日は「鴨とりごんべい」というお話をご紹介します。
これは、日本の昔話です。そして、このお話には漢数字がたくさん出てきますので、漢字が苦手な方は、読みにくいと感じるかもしれませんが、漢字の練習として少しチャレンジしてみてください!
「鴨とりごんべい」
あるところに、ごんべいという一人の鴨とりがいました。
ごんべいは毎朝、一羽ずつ鴨を捕まえて、町へ行ってお金にしていました。
ところが、ある日、町の人がごんべいにいいことを教えてくれました。
「ごんべいさんよ、毎日一羽ずつ鴨を捕まえるなんてめんどうじゃないか。一度に百羽の鴨を捕まえるというのはどうだい。そうすれば、あとの九十九日は寝て暮らせるんだよ。」
「それもそうだな。毎日ちまちま捕まえるのはめんどくさいと思ってたんだ。町の人は賢いことを考えるなぁ。」
ごんべいは感心し、さっそく百羽の鴨を捕まえられるような縄を作りました。
そして、その日の晩、いつもの池に行って百本の縄を鴨が来る前に仕掛けておきました。
「よし。これで明日の朝には百羽の鴨がとれるというわけだな。楽しみだ。」
ごんべいは朝になるのが待ち遠しくてたまりませんでした。
次の朝、ごんべいが池に来てみると、たくさんの鴨が罠にかかっていました。
「しめしめ。鴨も馬鹿だなぁ。どれ本当に百羽とれているか数えてみよう。」
…九十五、九十六、九十七、九十八、九十九……。
「あと一羽で百羽だ。」
ごんべいは、全部の縄の端をまとめてにぎってあと一羽が来るのを待ちました。
じっと待っていましたが、そのうち朝日がぱっと昇ってきて、九十九羽の鴨は陽の光に驚いて一斉にばさばさばさと飛び立ちました。
「わあ、せっかくたくさん罠にかかったのに、放してたまるか!!」
ごんべいは強く縄を握りました。
すると、ごんべいは鴨に引っ張られて、池に張った氷の上をスーッと滑りました。
「わああああ。助けてー!!」
鴨が空に舞い上がると、ごんべいもそのまま空へと浮かび上がりました。
すぐに、さっきの池も、ごんべいの家も小さくなって見えなくなりました。
ごんべいは、全然知らない山や町の上をびゅーびゅーと飛んでいきました。
「ひゃあ、怖いよ。下ろしてくれ!!」
ですが、今さら鴨を逃がすのも惜しい気がして、縄から手が離せません。
ごんべいは縄にギュッとしがみついていました。
と、その時、一本の縄が重さに耐えられず、ぶちっと切れてしまいました。
すると、そのとなりの縄もぷちん、そのとなりのぷちん、ぷち、ぷち、ぷち…。
「ぎゃあ、落っこちる!!!」
ごんべいは、とても速いスピードで真っ逆さまに下に落ちていきました。
ぼちゃん!ごんべいは、どこかの知らない池に落ちました。
「ふう、命拾いしたぜ…。」
安心したのも束の間、水に映った自分の影を見てみてごんべいはギョッとしました。
なんと、そこには鴨になった自分が映っていたのです。
そして、誰かがこの池に仕掛けた罠に捕まっていました。
これでは身動き一つとれません。
「わたしが捕まえていた鴨たちも、こんなに悲しい思いをしていたのか…。悪いことをしたな…。」
ごんべいの目から、一粒の涙が流れ落ちました。
すると、あら不思議。ごんべいの体は、涙のかかったところからスーッともとの人間に戻りました。
「助かったのか…?もう生き物を悲しませるようなことはしないよ。」
ごんべいは、そう心の中でつぶやきながら、自分の村へ帰っていったそうです。
いかがでしたか。
最後はごんべいも人間に戻れてハッピーエンドだったのでよかったですよね。
この話は、私の家に昔DVDがありよく子供の頃に見ていた記憶があります。
鴨をとる仕事なので、「罠」「縄」「仕掛け」など普段はあまり聞かない言葉も出てきましたね。使わないから覚えなくてもいいやと思わずに、せっかくですから、是非この機会に新しくボキャブラリーを増やしてみましょう!
また、鴨などの鳥を数えるときの助数詞は何を使っていましたか?
そうです。「羽(わ)」です。鳥は、一羽(いちわ)、二羽(にわ)、三羽(さんわ)と数えます。鳥だけでなく、うさぎもこの助数詞で数えることができます。うさぎは羽がないのに、どうして一羽と数えるのか不思議に思いますよね。実は、この由来はいろいろな説があるようで、はっきりとはわかっていません。
一番有力なのは、うさぎの耳が鳥の羽に見えて、とても似ているからだそうです。
また、仏教の教えで、四本足の動物が食べられなかった時代があり、その時にぴょんぴょんと跳ねるうさぎを鳥として考えて食べていたという説もあります。面白いですよね。
それでは、今日はここまで。今後もみなさんの日本語の学習になるよう物語をご紹介しますね!では、また!