「サルとカニ」という昔話を知っていますか。日本語で楽しみながら物語を読んでみましょう!
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だんだん涼しくなってきましたが、衣替えはもう終わりましたか。ここ数年は、涼しくなったと思っても、また急に暑くなったりすることがあるので、この服まだ着るかな…と迷ってしまいますよね。
さて、秋は読書が楽しい季節です。お家でのんびり日本語の物語を読んでみましょう。今回は「サルとカニ」という物語をご紹介します。皆さまの学習のお役に立てれば嬉しいです。
「サルとカニ」
昔、サルとカニが食べ物を探して歩いていました。
カニは大きなおむすびを拾いましたが、サルが拾ったのは小さな柿の種だけでした。
サルはとてもお腹が空いていたので、カニのおむすびが欲しくてたまりません。
「なあなあ、カニさん。この柿の種と、そのおむすびを交換してあげるよ。おむすびは食べてしまったらおしまいだけど、柿の種は土に埋めたら大きな木になって、柿がたくさんなるだろう?」
「うん、確かにそうだ。」
カニはサルの話を聞いておむすびと柿の種を交換しました。
「しめた!」
サルはおむすびを受け取るとすぐにむしゃむしゃと食べてしまいました。
カニは柿の種を大事に持って帰り、庭に埋めて水をやりました。
カニが毎日水をやっていると、種はすぐに芽を出し、ぐんぐん伸びて大きな木になりました。
そして、たくさんの柿の実をつけました。
すると、サルがやってきました。
サルは柿の木にたくさんの実がなっているのを見て、カニがうらやましくなりました。
「おい、カニさん。大きな木になったんだね。でも、君は木に登れないから、柿の実がとれないだろう。どれ、僕がとってきてあげよう。」
「ああ、サルさん。それはありがたい。お願いするよ。」
サルはするすると木に登り、柿の実を取ると一人でむしゃむしゃと食べ始めました。
「ひゃあ、うまいなぁ!」
それを下から見ていたカニは、
「サルさん。早く私にも取っておくれよ。」
サルは無視して柿を食べ続けています。
「おーい、サルさん!こっちにもおくれよー!」
すると、サルは
「うるさいな。これでも食べてな!」
とまだ青くて硬い柿をカニに向かって投げつけました。
カニは、ばたりと倒れこんでしまい、サルは慌てて逃げていきました。
それを家から見ていたカニの子供たちがぞろぞろと出てきました。
「あああ、お母さんが倒れてしまったよう。」
「あの、悪いサルをこらしめろ!」
子ガニたちは、サルの家に仕返しをしに行くことにしました。
その途中、蜂や栗、石臼や牛の糞と会いました。
事情を話すとみんなサル退治に協力してくれるといいました。
みんなでサルの家へ行くと、サルはまだ帰っていませんでした。
「よし、みんな隠れて待っていよう。」
しばらくすると、サルが帰ってきました。
「ひゃあ、寒いなぁ。」
サルは、火にあたろうとして、いろりに手を伸ばしました。
「今だ!」
いろりの中に隠れていた、栗がサルの手にバチンとはねつきました。
「あちちち!」
サルは火傷をした手を冷やそうとして、水がめの蓋を開けました。
すると子ガニたちが
「お母ちゃんのかたきだ!」
と、小さなはさみでサルの手を切りつけました。
「いたたたたたっ!」
傷口に薬を塗ろうとすると、薬の壺から蜂が出てきてちくん!と刺しました。
「いたい!いたいよぉ!」
サルは思わず外へ飛び出しました。
すると、入り口に隠れていた牛の糞を踏んずけてつるっ!と転んでしまいました。
「ぎゃあ!」
そこへ、屋根の上にいた石臼がドスンと飛び降りてきてサルを押しつぶしました。
「ぐわぁ…苦しい…。ごめんなさい!ごめんなさい!」
サルは泣きながら謝りましたとさ。
いかがでしたか?
少し長いお話でしたが、悪いサルに仕返しができたというすっきりするお話でしたね。
この「サルとカニ」は、「猿蟹合戦」というタイトルでよく知られ、「五大おとぎ話」の一つだそうです。「五大おとぎ話」とは、「桃太郎」「花さかじいさん」「かちかち山」「舌きりすずめ」「猿蟹合戦」の5つのお話のことです。どれも室町時代末期から江戸時代にかけて今の形になったお話で、今でも語り継がれています。
「猿蟹合戦」のもとのストーリーは、最初に柿の実を投げられたカニは死んでしまい、そのあと子ガニたちに仕返しされたサルも死んでしまうというお話なのですが、かなり残酷なのでいくつかのあらすじが生まれているようです。残酷なお話だと悲しくなってしまうので、今回はカニもサルも生きているというあらすじのお話を紹介しました。
「五大おとぎ話」の中の物語は、まだ紹介していないものが多いので、また書きたいと思います。
今日は、「サルとカニ」という物語をご紹介しました。
新しく知った言葉や表現はありましたか?皆さまの学びになっていれば嬉しいです。
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