童話を読んで日本語を学習しましょう。今回は「父さんのすることに間違いはない」を紹介します。

2022/09/25 ブログ

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皆さま、この3連休はいかがお過ごしでしたか。台風の影響で、どこへもお出かけできなかったという方も多いのではないでしょうか。私もこの台風では、お出かけする気になれず、Netflixを見たり、漫画を読んだりして自由な時間を過ごしました。

さて、天気が悪くて遊びや旅行に行けないときには、お家でリラックスしながら日本語を学びましょう!今回も、皆さまの学習のサポートができるよう、物語をご紹介します。

ご紹介するお話は「父さんのすることに間違いはない」です。

 

「父さんのすることに間違いはない」

ある田舎に、貧しい夫婦が住んでいました。

とても貧しいので、持っているものと言えば、一頭の馬くらいでした。

ある日、主人がいいました。

「この馬を、何かいいものと交換したいな。」

「それなら、町に行って交換してきなよ。」

おかみさんも賛成しました。

そこで、主人は馬をつれて町へ出かけていきました。

途中で、牝牛を引いた男に出会いました。

「おお、いいミルクが出そうだ。この馬と交換しないかい。」

「ああ、いいよ。」

主人は馬と牝牛を交換して、歩きだしました。

次に、羊をつれた人に出会いました。

「りっぱな毛がとれそうだな。この牝牛と交換しないか。」

「いいとも。」

羊をつれて歩いていくと、今度はガチョウを抱いた人に出会いました。

「おいしそうなガチョウだ。どうだい、この羊と交換してくれないか。」

「いいぞ。」

とうとう町に着きました。

すると、りっぱなめんどりが柱につながれていました。

「わあ、いい卵を産みそうだな。よし、交換しよう。」

主人は持ち主に話かけ、ガチョウと交換してもらいました。

「これで、かみさんも喜ぶぞ。」

主人は、そういうとお腹が空いてきたのでレストランに入ろうとしました。

その時、店の入り口から若い男が大きな袋を持って出てきました。

「なにが入っているんだい。」

「腐ったリンゴだよ。」

「そういえば、去年はリンゴの木にリンゴが一つしかならなくて残念だったな。かみさんはそれを腐るまでとっておいていたな…。」

そこで、にわとりとリンゴを取り換えることにしました。

レストランに入ると、お客さんも店の人もみんな驚きました。

「おい、君。どうして、腐ったリンゴなんか持っているんだい。」

そこで、主人は馬がリンゴになるまでの話を話しました。

「それじゃあ、おかみさんに怒られるだろう。」

「いや、うちのかみさんは、父さんのすることに間違いはないって言うよ。」

主人は自信満々に答えました。

すると、お金持ちのお客さんが言いました。

「もし、本当におかみさんが怒らなかったら、箱いっぱいの金貨をあげよう。」

そして、主人はお金持ちと一緒に家へ帰って、おかみさんに腐ったリンゴを持って帰ってきたわけを話しました。

すると、おかみさんは言いました。

「隣のけちんぼうが、お前には腐ったリンゴだってやらないと言ったんだ。でも、私は腐ったリンゴをどっさり人にやれるね。本当に父さんのすることに間違いはないよ。」

これを聞いて、お金持ちは驚きましたが、約束通り金貨を箱いっぱい置いて帰ったということです。

 

 

いかがでしたか。

とても仲のいい夫婦のお話でしたね。主人は最初に馬を牝牛と交換して、そこからどんどん色々なものと取り換えて最後にはリンゴにしました。これを「物々交換」といいます。皆さんも物々交換をした経験はありますか。私は、このように色々なものに交換したことはありませんが、小さい頃はシール交換が流行っていてよく友達とやっていました。お気に入りのかわいいシールを持ってきて、それを友達と交換するのです。交換したシールは、シール専用の手帳「シール帳」に貼って集めるのです。皆さんは、このような遊びをしたことがありますか。小さいときに友達と何かを交換した経験があれば、是非聞かせていただきたいです。

また、この物語を読むと、物の価値とは何かということも考えさせられます。レストランにいたみんなは腐ったリンゴには価値がないと言いました。ですが、この主人にとっては奥さんを喜ばせられるものに価値があるのです。腐ったリンゴがなんの役にも立たなくても、奥さんが喜べばそれは主人にとってとても貴重なものなのですね。そんなすてきな旦那さんだからこそ、奥さんも「父さんのすることに間違いはない」と言えるのでしょう。

私は将来、旦那さんが腐ったリンゴを持って帰ってきたら怒ってしまうかもしれません…。

 

 

 

今回は「父さんのすることに間違いはない」をご紹介しました。新しく学べた単語や表現はありましたか。

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