一休さんの昔話を読んでみましょう。新しい日本語の発見があるかもしれませんよ!
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2022年もあと4か月、今年もあっという間に終わってしまいますね。
12月にはJLPTもありますので、受験をお考えの方は残りの期間しっかりと学習していきましょう!
このブログでは、普段日本語学習を頑張っている皆さまに皆さまに楽しく日本語を学習していただけるよう、物語を紹介しています。今日のお話は「ないしょの水あめ」です。少しでも皆さまの学習のお役に立てれば幸いです。
今回のお話は、以前紹介した「この橋を渡るべからず」と同じ、一休さんのお話です。
さあ、今回はどんなとんち話が出てくるのでしょうか。楽しみですね!
「ないしょの水あめ」
むかしむかし、あるお寺に一休さんという小僧さんがいました。
ある夜、一休さんがトイレに行くために廊下に出ると、和尚さんの部屋にまだ明かりがついていました。
「おや、和尚さんまだ起きているのかな。」
そう思った一休さんは、和尚さんの部屋を覗いてみると、和尚さんは壺の中の何かをおいしそうになめていました。
「和尚さん、それは何ですか。」
和尚さんは、一休さんが来たのに気付いて、慌てて壺を隠しました。
「おお、一休。これはな、大人がなめると薬になるが、子供がなめると毒になるんじゃ。決してなめてはいけないぞ。」
「そうですか。わかりました。」
一休さんは、自分の布団に戻り考えました。
「あれは、きっと水あめだ。和尚さんは、私たちに内緒で水あめを独り占めするつもりなんだ。」
次の日、和尚さんは用事があって出かけることになりました。
「一休や、私の部屋の壺に入っている毒は決して食べてはいけないよ。わかったね。」
そういって、和尚さんは出かけていきました。
一休さんは、さっそく和尚さんの部屋へ行き、壺の中を覗いてみました。
中には、透明のきらきらした水のようなものが入っています。
一休さんは、ペロッとなめてみました。なんとおいしいことでしょう!
「やっぱり、水あめだ!甘くておいしいなぁ。みんなにも分けてあげよう。」
一休さんは、仲間の小僧さんたちも呼んで、みんなで水あめを食べ始めました。
そして、ついには壺の中の水あめを全部食べてしまったのです。
小僧さんたちは心配しました。
「大変だよ、一休。これじゃあ和尚さんに叱られてしまうよ。」
心配している小僧さんたちに一休さんは、にっこりと笑いながら言いました。
「大丈夫、大丈夫、いい考えがあるよ。」
そう言って、一休さんは和尚さんがとても大切にしている茶碗を持ってきて、わざと床に落として割ってしまいました。
「おい、一休!どうして茶碗を割ったんだい?こんなことをしたら、和尚さんにもっと叱られるだろう。」
小僧さんたちは、慌てましたが、一休さんは平気な顔をしていました。
すると、和尚さんが帰ってきました。
一休さんは、小僧さんたちに
「いいかい、みんな。とにかく泣いているふりをするんだよ。」
「えーん、えーん。」
帰ってきた和尚さんは、泣いている小僧さんと割れた茶碗を見てびっくりしました。
「どうした!何を泣いておる?一休、説明してくれ。」
すると、一休さんが泣きながら言いました。
「えーん。和尚さんの大切にしている茶碗を割ってしまったので、お詫びに毒をなめて死のうと思ったんです。」
それを聞いた和尚さんは、これはやられた…。と一休さんたちを叱ることができませんでした。
いかがでしたか?
今回もとても頭のいい作戦で無事、和尚さんに叱られずに済みましたね。
水あめは、透明のトロトロした水のようなあめで、料理などにも使われています。ただ甘い砂糖の味ですが、子供ってこういうお菓子が好きですよね。私も、よく駄菓子屋さんで水あめや練りあめ(水あめとほとんど同じで、くるくる混ぜながら食べるお菓子)を食べていました。
皆さんも子供の頃、お気に入りのお菓子はありましたか。また、それを大人に買ってもらう時の作戦などはありましたか。是非、皆さんのエピソードを聞かせてほしいです。
ちなみに、私はスーパーで欲しいお菓子の前に行って、ただただじっとそのお菓子をみているというのが作戦でした。大人のほうから、これ食べたいの?と言ってくれるのを待つ作戦です!
今日は、「ないしょの水あめ」というお話をご紹介しました。
物語は楽しんでいただけたでしょうか。こんな表現があるんだ!と学びになったものがあれば、うれしいです。
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