「羊飼いの少年」を読んで、楽しく日本語を学習しましょう。
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さて、9月になり涼しい日も増えてきましたね。溶けてしまいそうなほどの蒸し暑さがなくなり、お出かけもしやすくなりますし、読書や学習も捗る季節です。この秋はいろいろな体験をして知識を増やせると良いですね。
今回は「羊飼いの少年」というお話をご紹介します。こちらもとても有名なお話で、聞いたことがある方もいると思います。物語を読んで楽しく日本語を学びましょう。
「羊飼いの少年」
ある山の上にひとりの羊飼いの少年が住んでいました。
少年は毎日、羊の番をしていなくてはなりません。
「ああ、毎日退屈だなぁ。何か面白いことはないかな……。そうだ!!」
少年は、あることを思いつきました。そして、村へ降りて行って、
「おおかみだ!おおかみが出た!羊が食べられてしまう!」
と大きな声で叫びました。
「今、助けに行くぞ!」
畑仕事をしていた村の人たちは、大急ぎで駆けつけました。
「どこだ?おおかみはどこだ?」
ところが、おおかみはどこにもいません。
牧では、羊たちがのんびり草を食べていました。
「やあい、騙されたぁ~。」
少年は、ぺろりと舌を出してみんなを馬鹿にしました。
「何?嘘だって?」
「せっかく来てやったのに!」
村の人たちは、ぷんぷん怒りながら帰っていきました。
さて、次の日。
「昨日は面白かったなあ。ようし、今日もやってやろう。」
少年はまた叫びました。
「大変だ!おおかみが来たよ!」
村の人たちは、また大慌てで駆けつけました。
ところが、今度もおおかみなんていません。
「また、騙された!この嘘つきめ!」
村の人たちは、かんかんに怒って帰っていきました。
「だって、羊の番だけじゃつまらないもの。」
少年はまた舌をぺろりと出しました。
そして次の日、少年がうとうと昼寝をしていると、
「めえ~~~!」
突然、羊たちが騒ぎ出しました。
見てみると、本物のおおかみがこっちに向かって走ってきました。
「わあ、おおかみだ!!」
少年の叫び声を聞いて、村の人たちは笑いながら言いました。
「嘘つきがまた騒いでいるよ。」
「私たちも馬鹿じゃない。もう騙されないからな。」
「嘘じゃないよ。今度こそ本当におおかみが来たんだ!」
少年が叫んでも、誰も助けに来てはくれず、羊は一匹残らず食べられてしまいました。
いかがでしたか?
このお話は知っていましたか?何度も嘘をついて誰からも信じてもらえなくなってしまった少年のお話でした。
日本では、大人は子供に「嘘つきは泥棒のはじまり」と教えます。嘘をついた人は泥棒と同じだから、正直でいなさいという意味です。皆さんの国にもこのような言葉はありますか。あれば是非教えていただきたいです。
また、「仏の顔も三度」という言葉もあります。これは、どんなに優しい人でも何度も失礼なことをされれば怒りだすということのたとえです。「羊飼いの少年」の村の人たちも、とても優しく、最初は少年を助けに来てくれましたが、何度も嘘をつかれたのでかんかんに怒って信じなくなってしまいました。
それでは、ここからは「怒る」に関する言葉をふたつご紹介してみようと思います。
一つ目は、「堪忍袋の緒が切れる」です。これは、我慢できる許容量を超えて怒りが爆発するということのたとえです。「緒」というのは袋の口を縛った紐のことなので、堪忍袋の紐がぶちっと切れて怒りが溢れ出すということですね。
EX)「あの普段優しい田中さんも、今回ばかりはさすがに堪忍袋の緒が切れたね。」
二つ目は、「短気は損気」です。これは、短気を起こすと、人間関係がうまくいかなくなったり、仕事がうまくいかなくなったりと、最終的に自分が損をすることが多いという意味です。「短気」というのはすぐいらいらすることですね。
EX)「どうしてそんなに怒っているの?短気は損気だよ。」
今回は「羊飼いの少年」というお話とそれに関係する日本語をご紹介しました。新しく学習できた言葉はありましたか。物語もお楽しみいただけていたらうれしいです。
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