日本の昔話を読んで日本語の学習をしてみませんか。皆さんが楽しく学習できるよう私たちは全力でサポートいたします。

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2022年ももう9月になりました。今年もあっという間に過ぎて行ってしまいますね。秋は、いろいろなことを楽しめる時期ですから、今年の夏はあまり満喫できなかったという方は是非、秋においしいものを食べたり、お出かけしたりしてみてくださいね。
さて、今回も皆さまの学習のお役に立てるよう、ひとつの物語をご紹介しようと思います。楽しんでいただけると嬉しいです。ご紹介するのは、「この橋を渡るべからず」です。
読む前に考えてみましょう。
皆さんは、日本の昔話を読んだことがありますか。また、この話には「とんち」という言葉が出てきます。「とんち」とはどんな意味でしょうか。まだ知らないという方は読みながら考えてみてくださいね。
「この橋を渡るべからず」
ある京都のお寺に一休さんという小僧さんがいました。そのお寺の和尚さんの囲碁仲間で大きなお店の主人がいました。この主人はお寺でとんちの一休さんに一度やり込められたことがあって、一休さんに仕返しをしたいと思っていました。
ある日主人のもとから使いが来ました。「いつもお寺にお世話になっています。つきましては、和尚さんをもてなしたいので、一休さんと一緒にお越し下さい。」
和尚さんは喜んで一休さんを連れて主人のお屋敷に向かいました。立派なお屋敷の前には用水が流れていて橋が架かっていました。
橋を渡ろうとした和尚さんでしたが、その橋の前にあった立て札を見て和尚さんは立止まってしまいました。その立て札には「このはしわたるべからず」と書いてあったのです。
これを読んで、和尚さんは怒って一休さんに「人を招いていて、この橋を渡るなだって?何を考えているのか。ばかばかしい、一休や、帰るぞ。」と言いました。
ところが、立て札をながめていた一休さんは、「和尚さま、大丈夫ですよ。」と言って堂々と橋の真ん中をとおってお屋敷に入っていきました。和尚さんは、驚きましたが慌てて一休さんの後を追いかけました。
これを見ていた主人が飛び出してきて、一休さんに言いました。
「おや、立て札を読まなかったのですか?」
「いいえ、ちゃんと読んで渡りました。」
「それでは、立て札には何と書いてありましたか。」
「このはしわたるべからず、とありました。」
「ではどうして橋を渡ってきたのですか。」
主人は一休さんをやり込めたと思いましたが、とんちの一休さんはすまして応えました。
「はしを渡るなと書いてありましたので、真ん中を渡ってきました。」
主人は一休さんのとんちに返す言葉もありませんでした。
いかがでしたか?
一度読んで意味が分かった方も、そうでない方もいるかと思います。
「この橋を渡るべからず」は「この橋を渡ってはいけません。」という意味です。では、一休さんはなぜ堂々と橋を渡ったのでしょうか。もう一度読み返してみるとわかるかもしれませんが、全然わからない!という方はこれから解説を書きますのでご覧ください。
橋の立て札には「このはしをわたるべからず」とひらがなで書いてありましたね。主人や和尚さんは「橋」だと思っていましたが、一休さんは「はし」を「端」だと考えて、橋の真ん中を渡ったのです。確かに「この橋を渡るべからず」と「この端を渡るべからず」では意味が全然違いますね。「橋」と「端」は漢字で書くとすぐに違いがわかりますが、ひらがなで書くと同じです。ここから日本語の漢字を学習することがとても大切なのだとわかりますね。皆さんも漢字は覚えるのが大変…、面倒くさい…と思う方もいると思いますが、ひらがなでは意味がどちらかわからない言葉もあるので、間違いを防ぐためにも是非漢字の勉強を頑張りましょう!!
このお話には、「とんち」という言葉が出てきましたね。とんちとは、咄嗟の機転という意味です。一休さんのように、何かトラブルが起きてもすぐに対応できる人のことを「とんちが利く人」「機転が利く人」と言います。日本昔話にはこのほかにも一休さんのとんち話がたくさんあります。とても面白いので、またご紹介しますね。
今日は、「この橋を渡るべからず」という物語をご紹介しました。
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