物語を読んで、楽しく日本語を学びませんか?今回は「アリときりぎりす」という話をご紹介します。

2022/08/24 ブログ

オンライン日本語レッスンでビジネス日本語トレーニングやJLPT試験対策はもちろん、日常会話や発音矯正の授業を始めてみませんか?

こはる日本語事務所では、皆さまお一人おひとりに合ったカリキュラムをご提案いたします。この夏から、日本語学習を私たちと頑張ってみましょう。

さて、今回も物語をひとつご紹介いたします。皆さまの学習のお役に立てれば幸いです。

今日のお話は「アリときりぎりす」です。

 

読む前に考えてみましょう。

皆さんは、「アリ」と「きりぎりす」という虫を知っていますか。また、この虫たちにはどんなイメージがありますか。

この話を読んで、皆さんは自分がアリときりぎりすどちらの性格に似ているか考えてみましょう。

 

「アリときりぎりす」

夏の暑い日、アリたちは汗を流して、働いていました。

大きな荷物をよいしょよいしょ!皆で運ぼう、よいしょよいしょ!

それを見て、きりぎりすたちが言いました。

「おーい、アリさん一緒に歌おうよ。そんなに汗をかいて何をしているんだい?」

「これはきりぎりすさん、ぼくたちは食べ物を運んでいるんですよ。」

「ふーん、でも食べ物はいっぱいあるじゃないか。お腹が空いたらその辺にある食べ物を食べて、あとは楽しく歌ったり、踊ったりしていればいいじゃないか。」

「でもね、今は夏だから食べ物がたくさんあるけれど、冬が来たらなくなってしまいますよ。」

ありがそう言うと、きりぎりすたちは馬鹿にしたようにはっはっはと笑って言いました。

「まだ夏は始まったばかりさ。冬のことは冬が来てから考えればいいのさ。」

そして、陽気に歌いだしました。

でも、働き者のアリたちはせっせと仕事を続けました。

 

やがて夏が過ぎ、秋も過ぎて、北風がヒューヒュー吹きつける冬が来ました。

「ぶるるるっ、凍えそうだ…。」

「もう、何日も食べていないな…。」

きりぎりすたちは、寒さに震えながら、歩いていました。

「そういえば、アリさんたちが食べ物をたくさん集めていたなあ。よし、何か食べさせてもらおう。」

きりぎりすたちは、急いでアリたちの家に向かいました。

 

そのころ、家の中ではアリたちがのんびり暖かく過ごしていました。

「いつ雪が降っても大丈夫。」

「食べ物のもいっぱいあるしね。」

その時、トントントン…。

「おや、誰だろう…?」

戸を開けてみると、痩せたきりぎりすたちが立っていました。

「アリさん、ぼくたちもうお腹が空きすぎて死にそうなんだ…。」

「どうか食べ物をくださいな。」

アリたちは、きりぎりすたちをじろりと見て言いました。

「だから、食べ物がたくさんある夏の間に集めておきなさいと言ったでしょう?家には家族分の食べ物しかないから、悪いけどきりぎりすさんたちにはあげることができません。」

そして、ぴしゃりと戸を閉めてしまいました。

きりぎりすたちは、よろよろと北風の中に消えていきました。

ヒュウウウウ……。

 

いかがでしたか。

楽して遊んでいる者は、そのうち痛い目にあうというお話でした。

皆さんは、嫌いなことや大変なことはアリのように先にやってしまうタイプですか?それともきりぎりすのように後回しにしてしまうタイプですか?

わたしは小学生時代、夏休みの宿題をなかなかやらず、夏休みの終わりに早くやらなきゃ!と焦っていた記憶があります。予定を立ててコツコツ頑張るのは、なかなか大変ですがその分後で楽になるので、わたしたちもアリを見習って地道に努力しなければなりませんね。

 

アリといえば、毎日たくさん食べ物を運んで、一生懸命働いているイメージがありますが、皆さんは「働きアリの法則」を知っていますか?

アリのグループでは、全員のアリが一生懸命働いているわけではありません。実は、仕事をさぼっているアリがいるのです。よく働くアリと、時々さぼっているアリと、ずっとさぼっているアリの割合は、2:6:2だそうです。

このうち、よく働く2割のアリを集めてさぼっているアリだけにするとどうなるのでしょう。残りのさぼりアリたちの中の2割がよく働くアリになり、やっぱり2:6:2の割合になるのです。面白いですよね。

では、なぜこんなことが起きるのでしょうか。全員が働いたらもっと効率良く、早く食べ物を集められるのに…と思いますよね。でも、アリたちは実はとても効率の良い働き方をしているのです。2割のよく働くアリも疲れて休みたくなる時がありますよね。その時に、今までさぼっていたアリたちが仕事をするのです。つまり、さぼっているのではなく休憩しているのです。全員が同じ時間に仕事をして、全員が同じ時間に働かなくなることを避けているというのは、とても賢いですね。

 

今日は、「ありときりぎりす」というお話をご紹介しました。

いかがでしたか?こはる日本語事務所のレッスンでは、あっと驚くような日本語の発見とレベルアップしたご自分を感じることができますよ。

また、こはる日本語事務所は年中無休で毎日レッスンのご予約を受け付けております。初回は30分の無料体験レッスンをご用意しておりますので、お気軽にお申込みくださいませ。

皆さまの日本語学習をお手伝いできることを楽しみにしています。