物語を読んで楽しく日本語を学びませんか?今回は「ねずみの嫁入り」というお話をご紹介いたします。

2022/08/19 ブログ

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さて、今回は「ねずみの嫁入り」というお話をご紹介します。とても有名なお話で、わたしも小さい頃たくさん読み聞かせしてもらった記憶があります。皆さんも、物語を読んで楽しく日本語を学びましょう。

 

「ねずみの嫁入り」

むかし、ある家のお倉の中に、お金持もちのねずみの家族が住んでいました。

この家には、一匹のねずみの娘がいて、ねずみのお父さんとお母さんは娘を大切に育てました。やがて、娘はとても美しいねずみに成長しました。

ある時、ねずみのお父さんとお母さんは、

「うちの娘は日本一なのだから、日本一のお婿さんをもらわなければならない。」

 と言いました。

 そこでこの世の中で一番えらい人は、高い空の上から世界中を明るく照らしてくれる太陽だと考え、お父さんとお母さんは娘を連れて、太陽の所へ行きました。

お父さんは太陽に言いました。

「お日さま、あなたは世の中で一番えらいお方です。どうぞわたくしの娘をお嫁にもらって下ださい。」

 すると太陽はにこにこしながら、

「それはありがたいが、世の中にはわたしよりもっとえらいものがあるよ。」

 と言いました。

 お父さんはびっくりしました。

「まあ、あなたよりもえらい方があるのですか。それはどなたですか。」

「雲さ。わたしがいくら空でかんかん照っても、雲が出てくるともうだめになるのだから。」

「なるほど。」

 お父さんはそこで、こんどは雲の所へ出かけました。

「雲さん、あなたは世の中で一番えらいお方です。どうぞわたくしの娘をお嫁にもらって下ださい。」

「それはありがたいが、世の中にはわたしよりもっとえらいものがあるよ。」

 おとうさんはびっくりしました。

「まあ、あなたよりもえらい方があるのですか。それはどなたですか。」

「それは風さ。風に吹きとばされてはわたしもかなわないよ。」

「なるほど。」

 おとうさんはそこで、次は風の所へ出かけていきました。

「風さん、あなたは世の中で一番えらいお方です。どうぞわたくしの娘をお嫁よめにもらって下ださい。」

「それはありがたいが、世の中にはわたしよりもっとえらいものがあるよ。」

 おとうさんはびっくりしました。

「まあ、あなたよりもえらい方があるのですか。それはどなたですか。」

「それは、壁さ。壁ばかりはわたしの力でもとても、吹きとばすことはできないからね。」

「なるほど。」

 おとうさんはそこでまた、壁の所へ出かけていきました。

「壁さん、あなたは世の中で一番えらいお方です。どうぞうちの娘をお嫁にもらって下ださい。」

「それはありがたいが、世の中にはわたしよりもっとえらいものがあるよ。」

 おとうさんはびっくりしました。

「まあ、あなたよりもえらい方があるのですか。それはどなたですか。」

「それはだれでもない、ねずみさんさ。ねずみさんは平気でわたしの体を食い破ぶって、穴をあけて通り抜けていくじゃないか。だからわたしはどうしてもねずみさんにはかなわないよ。」

「なるほど。」

 とねずみのお父さんは感心したように、ぽんと手を打って、

「これは今まで気がつかなかった。じゃあわたしどもが世の中で一番えらいのですね。ありがたい。ありがたい。」

 とにこにこしながら、帰っていきました。そしてさっそく、お隣のちゅう助ねずみを娘のお婿さんにしました。

 若いお婿さんとお嫁さんは、仲よく暮して、お父さんとお母さんを大事にしました。そしてたくさん子供を生んで、お倉のねずみの一家はますます栄えました。

 

いかがでしたか?

大切な一人娘をお嫁に行かせる親の気持ちがよくわかりますね。

さて、この物語は私たちに何を伝えたいのでしょうか。考えてみましょう。

ねずみのお父さんはこの世で一番えらいものを探して訪ねていきましたね。そして最後は、自分たちねずみがすごいことに気が付きました。これは、人にはそれぞれ良いところと悪いところや、得意なこと苦手なことがあるということを教えてくれるお話です。

皆さんは、得意なこと苦手なことはありますか。誰にでも不得意なことがひとつはありますが、良いところも見つけてたまには自分や相手を褒めたりするのも大切ですよね。

 

また、このような昔話では、「お婿さん」「お嫁さん」というワードが出てきて、結婚は男性と女性がするものというイメージがあることがわかります。現在はLGBTQなどの言葉が世間でも知られてきて、結婚相手は性別で決められるものではなく好きな人同士でするものという考え方が広まっているので、もしかしたら、100年後の子供たちが読む物語には性別や年齢の垣根を越えた自由な結婚が登場するかもしれませんね。

 

今回は「ねずみの嫁入り」というお話をご紹介しました。物語はお楽しみいただけましたか。

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