日本語で怖い話を読んでみませんか?「おいてけぼり」という話を読んでヒヤッと涼しくなりましょう。
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こはる日本語事務所では、皆さまお一人おひとりに合ったカリキュラムをご提案いたします。この夏から、日本語学習を私たちと頑張ってみましょう。
さて、皆さまの学びのサポートができるよう、今回も物語をひとつご紹介いたします。
今日のお話は「おいてけぼり」です。これは前回と同じく日本の怪談です。まだまだ暑い日が続きますので、怖い話を読んで日本語を勉強しながら、ひんやり涼しくなりましょう。
「おいてけぼり」
むかしむかし、大きな池がありました。
魚がいっぱい釣れましたが、いざ帰ろうとするときまって
「置いてけー、置いてけー。」
という恐ろしい声がします。
「ひゃあ、おばけだぁー!」
みんなはいつの間にか、この池を“おいてけぼり”と呼びました。
ある日、ひとりの男が、
「わたしは、おばけなどに負けないぞ!」
と、おいてけぼりに出かけました。
釣れるわ釣れるわ、たくさんの魚が釣れました。
「さて、帰るとするか…。」
と思った時、
「置いてけー、置いてけー。」
男はぎくりとしましたが、
「いやだ。わたしが釣った魚だ。全部わたしのものだ!」
と言いながら歩きだしました。
すると、からんころん、からんころん…。
下駄の音がして、きれいな娘さんが近づいてきました。
「その魚を売ってくださいな。」
「いや、だめだめ。晩ご飯のおかずにするのでな。」
男が断ると、娘さんはみるみる耳まで口のさけた恐ろしい顔になりました。
「これほど頼んでも、だめですか…。」
「ひゃあ~!」
それでも、魚の入ったかごは、手から放しませんでした。
家に帰ると、おかみさんはむこうを向いて、晩ご飯のしたくをしていました。
「今な、恐ろしい顔の女にであったぞ。でも、わたしは、怖くもなんともなかったぞ。はははははあ」
男は、わざと笑って言いました。
すると、おかみさんは、くるりとこっちを振り向いて見せました。
「こんな顔をしていたかい?」
それはさっきの女の顔でした。
「ぎえーっ!」
男は、気絶してしまいました。
「置いてけ、置いてけ、置いてけー。」
気が付くと、男はさびしい山の中にいて、魚は一匹残らずなくなっていたということです。
いかがでしたか。
やっとの思いで家に帰ってきたのに、おかみさんの顔が恐ろしい化け物になっているというのはとても怖いですね。わたしも小さいころにこの話を読んだとき、この場面はとてもインパクトがありました。「のっぺらぼう」という怖い話にも少し似ていて、どちらも有名なお話です。
さて、今日は魚の問題についてお話をしたいと思います。
突然ですが皆さん、魚料理は好きですか?
日本の魚料理をいくつか思い浮かべてみてください。お寿司やお刺身、うな重、煮つけや焼き魚など日本にはたくさんの魚料理があります。魚は日本の食卓に欠かせない食材です。水産庁のデータを見てみると日本の一人当たりの魚(水産物)の消費量ランキングは2013年で世界3位だそうです。このデータによると2005年までは、日本は世界1位でした。日本人の魚の消費量は年々減少しています。
また、味や品質問題はないのに大きさが不揃いであったり、獲れる量が少なくてお店に売ることができない魚を「未利用魚」といい、捨てられているものも多いようです。これは獲れた魚の約3割に上ります。とても悲しいですね。
そして、今世界でも私たちがいつも食べている魚はどんどん数を減らしていて、数十年後には絶滅してしまうかもしれません。たくさん獲っても捨ててしまい、魚がどんどん少なくなってしまうというのは私たち人間の大きな問題です。
食品ロスの問題は、魚だけでなく肉や野菜も同じです。私たちが普段食べている食材にはさまざまな問題があります。地球はこのまま人口を増やし、今後は満足に食べ物が食べられない食糧難がやってくるかもしれません。日本でも昆虫食などが注目されていますが、食べられるものを増やすより、今ある資源を大切にしていく必要があると思います。
皆さまもわたしには関係ないから…と思わずに、何かできることを探してみてください。今は、食品ロスを減らすためのアプリや、食品のサブスク(定期的に自宅に食材が届くサービス)などがあるようです。皆さまも気になったらチェックしてみてくださいね。
今日は、「おいてけぼり」というお話と、魚の問題について取り上げてご紹介しました。
皆さまの学習に少しでも役立っていれば嬉しいです。こはる日本語事務所のレッスンでは、あっと驚くような日本語の発見とレベルアップしたご自分を感じることができますよ。
また、こはる日本語事務所は年中無休で毎日レッスンのご予約を受け付けております。初回は30分の無料体験レッスンをご用意しておりますので、お気軽にお申込みくださいませ。
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