落語のお話を知っていますか?クスッと笑える「けちくらべ」というお話を紹介するので是非読んでみてください!

オンライン日本語レッスンはマンツーマンのレッスンが1,500円~、こはる日本語事務所でプロの教師による日本語レッスンを始めてみましょう!
今回も日本語を学習している皆さまにひとつお話を紹介したいと思います。
ご紹介するのは「けちくらべ」というお話です。その中から、新しい言葉や表現を是非チェックしてみてくださいね。
ところで、皆さんは日本の落語を知っていますか?落語とは、日本に昔からあるお笑い・ジョークです。「けちくらべ」も落語のひとつです。落語には、特殊な口調や言葉があるので少し整理してから読んでみましょう。
このお話には、ふたつの場面があります。最初には、「だんな(ある店の主人)」「こぞうさん(お店の少年店員)」「となりの家の人」の3人が出てきます。
二つ目の場面には、二人の女性が出てきます。それぞれの場面を想像しながら読んでみましょう。また、「けち」とはどんな意味か考えてみましょう。
「けちくらべ」
世の中には、ずいぶんけちな人がおりますが、そういう人を見ておりますと、たいへんこっけいなことがございます。
ある店のだんなが言いました。
「こぞうや、雨戸をなおすんだから、となりへ行って金づちを借りておいで。」
「はい、行ってまいります。」
と、こぞうさんがとなりへ行きまして、
「こんにちは。すみません、金づちを貸していただきたいんですが…」
「お貸ししないこともありませんが、鉄の釘を打つのか、竹の釘を打つのか、どちらかな?」
「雨戸を直すんでございますから、きっと鉄の釘でございましょう。」
「それではお貸しできません。鉄と鉄でコチコチやられたら、金づちが減ってしまうから…。」
「ああ、なるほど。」
と、こぞうさんが帰ってまいりました。
「帰ってまいりました。だんな、貸してくれません。」
「どうして?」
「へえ、鉄の釘を打つのか、竹の釘を打つのかと聞かれましたから、きっと鉄の釘を打つのでしょうと答えたら、鉄と鉄でコチコチやられたら、金づちが減ってしまうから貸せないということなんで…。」
「うーん、なんてけちなんだ。しょうがない、うちのを出して使おう。」
これじゃあ、どっちがケチだかわかりません。
こういうけちな人たちが、けちくらべをするという話がもうひとつあります。
「あなたの持っている扇子は、どのくらいの間お使いになります?」
「この扇子は、10年は使います。」
「10年?…で、どんなぐあいにお使いになります?」
「半分開きまして。はじめの5年使います。それがダメになったら残りの半分を開いて、これを5年使います。」
「ふうん、しかし扇子を半分しか開かないというのは、おもしろくないですね。あたしなら全部開きます。」
「へえ、じゃあ扇子の傷み方がひどいでしょう?」
「だから、開いた扇子を手に持って、首のほうを振るんです。」
これじゃあ、風がきません。
いかがでしたか。
少し難しかったかもしれませんね。初めて見た言葉はありましたか?もしあれば、この機会に是非チェックしてみてくださいね。
このお話は本当はもっと長いのですが、今回は一部をご紹介しました。
それでは、「けちくらべ」を読んだ皆さんに質問です。
Q、「けちな人」とはどんな人でしたか?
……「けちな人」とは、自分の物やお金をもったいないと思い、あまり使いたがらない人でしたね。これと似ている言葉に「倹約家」があります。「けちな人」というとマイナスのイメージですが「倹約家」というと、お金の使い方がしっかりしているというプラスのイメージがあります。例文も一緒にご紹介します。
「あの人、せっかくみんなでご飯を食べに来たのに、安いものしか頼まない。けちな人だな。」「田中さんは倹約家で、毎月の出費をきちんと計算していて、お金を無駄遣いしない。しっかりしている人だ。」
どうでしょうか。「けちな人」「倹約家」の意味と使い方はわかりましたか?
また、落語は最後のセリフが面白いです。この話の中では「しょうがない、うちのを出して使おう。」と「開いた扇子を手に持って、首のほうを振るんです。」ですね。
この面白いセリフを「落ち」といいます。このセリフで、最後に話がギュッと締まって終わります。話が落ちるから「落語」というんですね。
今日は「けちくらべ」というお話を紹介しました。
皆さんの学習のお役に立てていたら嬉しいです。落語にも少し興味を持っていただけましたでしょうか?
こはる日本語事務所は、皆さんのレベルに合ったカリキュラムをご提案いたしますので、今回の内容が難しすぎる!もしくは簡単だなぁと思った方もご安心くださいませ。学習目標に合わせて教材も一緒にご提案させていただきます。こはる日本語事務所のオンラインレッスンでは、対面授業を同じくらいの学習効果を感じることができ、日本語を学ぶ楽しさや、面白さを発見することができますよ。
皆さまの日本語学習のお手伝いができることを楽しみにしています。
お気軽にお問合せくださいませ。