日本語で物語を読んでみませんか?「おしゃれなカラス」というお話をご紹介します!

2022/07/23 ブログ

オンライン日本語レッスンをお探しの皆さま、

最近、日本語の学習は順調ですか?

普段仕事で使うビジネス日本語や、日常会話、12月のJLPT試験に向けた勉強などさまざまな学習目標があると思います。

皆さまの学習に少しでも役に立つように、今回は一つの物語を紹介し、その中からいくつかの日本語を吸収していただければと思います。

今回は、「色の名前」「鳥の名前」を一緒に学習しましょう。

ご紹介する物語のタイトルは「おしゃれなカラス」です。

 

 

本文を読む前に少し考えてみましょう。

皆さんは日本語で色の名前、鳥の種類をいくつ言うことができますか。

色の名前は初級の教科書にも出てくるので、知っているものもいくつかあると思います。物語の中にもたくさんの色が出てくるので、全部知っているか確認してみてください。

鳥の名前はどうでしょう。普段あまり使わず馴染みがないという方も多いのではないでしょうか。ですが、日本語には鳥の名前が入ったことわざや慣用句などもたくさんあります。日本語のボキャブラリーを増やすためにも、是非この機会にチェックしてみましょう。

 

 

「おしゃれなカラス」

 

あるとき、神様が鳥たちを集めて言いました。

「明日の朝、鳥の王様を決めることにしよう。みなの中で、一番美しい者が王様だ。」

それを聞いて鳥たちは大慌てです。

「七色に輝く、ぼくが王様さ!」

クジャクが大きな羽を広げました。

「わたしの真っ白い羽が、一番きれいでおしゃれでしょう?」

白鳥が気取って言いました。

「お日さまの色の、ぼくが王様だ!」

真っ赤なオウムも自信満々に叫びました。

鳥たちは、みんな自分が一番美しいと思っていました。

みんな口々に自分の美しさをアピールし、もっときれいに見えるように、川へ行って水浴びをしたり、くちばしで羽を整えたりしました。

ところがカラスは、

「あーあ、ぼくは全身真っ黒だから王様になれない。でも、王様になってみたいなぁ。」

そして、みんなのまねをして川へ行きました。

すると、鳥たちはみんな水浴びを終えて、帰った後でした。

あちこちに、いろいろな鳥の羽がいっぱい落ちています。

カラスは、いいことを思いつきました。

「これは使えるぞ…!」

カラスは大喜びで、赤、黄色、ピンクに緑、白に紫……と、すべての羽を拾い集めました。

そして、一晩中かけて真っ黒いからだに美しい羽をつけていきました。

さて次の朝、鳥たちは神様のところに集まりました。

「まあ、あのすてきな方はだれ?」

「なんてすばらしい羽なんだ!」

鳥たちは色鮮やかなカラスを見て、言いました。

神様もとても感心して、

「これほど美しい鳥は見たことがない。王様に決めよう。」

と言いました。

そのとき、一羽の鳥が言いました。

「あっ、これはぼくの羽だよ!」

ほかの鳥たちも、気が付きました。

「真っ白い羽は、わたしのよ!」

「真っ赤な羽は、ぼくのだ!」

みんなは、カラスのからだから、自分の羽をむしり取りました。

そしてカラスはもとの真っ黒に戻ってしまっただけでなく、たくさんつつかれて元の姿よりみすぼらしくなってしまいました。

 

 

いかがでしたか?

少し難しかった、簡単だった、よくわからなかった!など感想はそれぞれあるかと思いますが、皆さんの知っている色の名前、鳥の名前はいくつ出てきましたか?

 

それでは、ここからはこの物語の内容を踏まえて、色のイメージや鳥のイメージについてお話ししようと思います。

このお話の主人公はカラスでしたね。ここでは、「真っ黒で全然きれいじゃない鳥」として登場しています。皆さんの中で「黒」「カラス」はどんなイメージですか。

日本では「黒」というと、犯人、不吉、負けるといったマイナスのイメージが多いですが、高貴・高級といったプラスのイメージもあります。また、黒はほかの色に染まらないということから正しいジャッジをしなければならない裁判官が着る服も黒色です。

「カラス」は生息していない国もあるかと思いますが、日本にいる種類のカラスは、うるさい、汚い、怖いなどやはり少しネガティブなイメージがあります。ですが、カラスはとても頭がいい鳥としても有名です。

カラスは体重に対して脳の割合が高いので、人の顔を見分けたり、問題解決能力があると言われています。「おしゃれなカラス」でも、みんなの羽を集めて自分につけるというとても賢い行動をしていましたね。そう考えると、カラスもちょっとかわいそうな気がしてきますね。先ほど「黒」や「カラス」のイメージをお話ししましたが、物事には必ず良いイメージと悪いイメージがあります。この物語のカラスも、「黒は高貴で、すてきな色だ!」と考えてありのままの自分のツヤツヤで黒い羽で勝負すれば、ほかの鳥たちからの印象もまた変わっていたかもしれませんね!

 

 

今回は、「おしゃれなカラス」というお話と、色や鳥に関する情報を紹介しました。

新しく学習できた単語や知識はありましたか。皆さんの日本語学習のお役に立てていれば幸いです。また、皆さまの国では色や鳥に対してどのような印象を持っているか是非紹介していただきたいです。

このように、こはる日本語事務所では楽しく、へぇー知らなかった!という日本語の発見ができるオンラインレッスンをご用意しておりますので、一緒に日本語学習を頑張ってみませんか?

皆さまの学習のサポートができることを楽しみにしております。