新宿の日本語教室「こはる日本語事務所」から日本語のワンポイント・アドバイスです③漢字を好きになりましょう

新宿の日本語教室、こはる日本語事務所から日本語の勉強のためのアドバイスをお送りします。本日は、漢字に親しむことを考えます。
「漢字は大嫌いだ!」
というお声は実のところあまり伺う機会がありません。
「難しい」
「覚えにくい・・」
「無理だ・・・」
「もう諦めた!」
このようなご意見を常日頃より頂戴しております。仰る通りです。正直に申し上げて、漢字は難しいです。因みにネイティブの日本人であってもパソコンばかり使っていたり、海外生活で日本語の文字に遠ざかっていたりすると徐々に忘れていってしまう事があります。私、代表の楠田も二年間の南米生活から東京へ帰国した直後は自らの漢字の筆記力に愕然とした覚えがあります。そんな時は、やっぱり机に向かって、書いて書いて思い出すしかないのです。ですから、学習のための重要なポイントは、
①時間をかけること
です。つまり量をこなす勉強でじっくりゆっくり身につけていくのですね。
当たり前だ、と思われるかもしれません。その通りです。これは漢字学習につまづいている場合の解決策ではありません。そこで、本日は漢字への触れ方も考えてみましょう。
②順序立てて文字の構造に触れる。
漢字の要素は、ここで「文字が表すもの」、「文字の形」、「文字の音」と考えることにいたしましょう。3つのポイントをどこから学習するかといえば、「形」から考えることをおすすめします。
②-1:まず目に入るものは形である。
読むのですから、まずは目に入るものが認識されています。今日は『木』を例にとって実践してみましょう!
『木』。意味も音も今は必要ありません。穴が開くほど、じっと目を凝らして見つめてください。木・・・・・・・・・。十秒くらいでよいでしょうか。頭にこの文字の形が焼き付いたな、と思ったら今度は書いてみましょう。私は大量の書く練習を支持してはおりますが、苦手な方は一回書くだけで充分です。それで初歩的には十分漢字を使えます。『木』は四画の文字で、書き順も大切に丁寧に一度書いてみましょう。出来たら、それがたった今からあなたが使うことのできる日本語の文字に追加されたことになります。
②-2、表されるものをイメージする
『木』の文字が表すものは何でしょうか。二つの例文を提示します。
「すごく大きい木ですね!」
「木の家は気持ちが良いですね!」
一つ目は植物としての木であり、二つ目は素材としての木ですね。(ですので、お写真は二つ目の概念に該当します。)
漢字が表すものをしっかりとイメージして、頭に焼き付いている文字の形と結び付けましょう。これであなたの文字の使用準備が出来ました。
②-3、使う
言語とは第一義に音です。漢字にも当然音が存在します。複雑な環境下での例外もありますが、ここでは基準となる音のみを考えます。辞書に載っている基本の文字情報を使っていただければ十分です。漢字には複数の音が存在するものが多いですが、「単語になる音」から覚えることをおすすめします。つまり『木』でしたら『き』ですね。
さあ、これで「文字の形」と「概念」と「音」が揃いました。これであなたは一つの漢字を身に着けたことになります。『木』という漢字を目にすれば、植物や木材を意味していることが分かりますし、『き』と読めば多くの文章において意味が通じる事でしょう。日本語を話すとき、『き』の言葉を使う機会にはいつも『木』をイメージできていれば言葉への理解がぐっと深まりますし、チャンスがあるのなら『木』を書いてみれば素晴らしい成果だと思います。そして、ここからの発展として、次に「漢字の音としての読み方」を考えます。
すっかり親しみのできた『木』。『木』は『もく』や『ぼく』といった音も持っています。『木』に結びついているこれらの音も、文字を見ながら何回か発話してみると、イメージが定着するようになることと思います。
木・・・もく、もく、もく、もく、もく・・・・・・。
木・・・ぼく、ぼく、ぼく、ぼく、ぼく・・・・・・。
アクセサリーのように、『木』に付属する音がしっくりくるように感じられたら、続いて『木』を使った単語を覚えましょう。
もく・・・「木曜日」、「木材」、「木工」、等
ぼく・・・「大木」、「流木」、「倒木」、等
どんどんと漢字の作る単語の世界が広がってゆきます。かなり奥行きの広い世界ですので、単語の知識を増やす段階からは、本当にゆっくりと学びを続ければ良いのではないかと思います。文法や読解と言った日本語の他のセクションと一緒に学習を続けることで、実践的且つ広範な日本語の力となっていくことでしょう。
いかがでしょうか。苦手意識のあった方にも漢字への親しみを感じていただけましたでしょうか。説明の中で使用した、単語になる音とは訓読みが多く、音としての読み方とは音読みが一般に多いです。しかし、『駅』は音読みで『えき』であり、現代語での実用を第一に考えたとき、単純な区分けが出来ないことが実情です。そして何よりも漢字は総数が多いことに高難度の要因があります。ですから、やっぱりここまでを鑑みて、
①時間をかけること
が大切になるのです。決して無限ではありません。
新宿の日本語教室、こはる日本語事務所は個別指導に定評のある日本語の教室です。予定期間やお時間のご都合、ご予算といった学習環境に併せて、プランに副ったカリキュラムでクラスをご用意いたします。ゴールを見据えるからこそ、続けられるレッスンがあります。更に漢字のお話を聞きたい方、漢字の学習を集中的に進めたい方は是非こはる日本語事務所へご相談ください。お問い合わせはお電話もしくはContactフォームよりお願いいたします。